この記事では日常英語とビジネス英語の違いについて紹介します。この記事を読むことで、それぞれの違いと、そして英語初心者のエンジニアであるみなさんが最低限知っておくべき表現がわかるようになります。
日本語でも同じように英語でもビジネス上では丁寧な表現、格式の高い単語を使う傾向があります。それらの単語をすべて自分で使えるようにする必要はありませんが、聞いたときにはその意味が分かるようにはしておく必要があります。
この記事では、ビジネスで使う英単語と英語表現の実例60個を交えて、日常英語とビジネス英語の違いについて解説していきます。一緒に学んでいきましょう。
目次
日常会話よりも、ビジネスで使われる英単語のほうが語彙数が少ない
全英語の語彙は確かに約170,000語とされていますが、日常英会話で使われる単語はおおよそ3,000~4,000語と言われています。
さらにビジネス英語の場合、その語彙はさらに絞られ、一般的なビジネス環境では約1,500語程度と推定されています。この理由はビジネス英語が特定の文脈と状況、すなわち商業的な交流に特化しているからです。
この特性はビジネス英語学習者にとって大きな利点となります。
特定の業界や状況に特化した語彙を学ぶことで、全体的な語彙数が減少し、学習の難易度が下がるのです。
技術的な単語やフレーズは一般的な日常英語の会話には出てこないかもしれませんが、それらはビジネス英語、特に特定の業界でのコミュニケーションにおいて極めて重要となります。したがって、これらを学ぶことで効率的にビジネス英語のスキルを向上させることができます。
ビジネス英語は聞けるようにしておくことが大事
国際的なビジネス環境では、ビジネス英語は共通のコミュニケーションツールです。あなた自身が今すぐにそれを使うことがなくても、周囲の人々がそれを使っていることを理解することは重要です。
例えば、クライアントやプロジェクトマネージャーが「Let’s circle back to this issue in our next meeting」(次回の会議でこの問題に戻りましょう)と言った場合、このフレーズの意味を理解する必要があります。
このように、ビジネス英語を「聞き取り」、「理解する能力」は、あなたのコミュニケーションスキルを向上させます。これは、会議やプレゼンテーション、さらにはメールのやり取りなど、あなたが日常的に遭遇する可能性のあるさまざまなビジネス状況で役立ちます。
加えて、ビジネス英語の理解力はあなたのプロフェッショナリズムを強調します。それはあなたが広範なビジネス環境に適応でき、新しい挑戦に対応できることを示す証拠となります。あなたがビジネス英語を理解することは、同僚や上司、クライアントからの尊敬、そしてを昇進勝ち取ることに役立つでしょう。
次の章に具体的なビジネス英単語、表現を紹介します。ビジネス英語の基本的な要素を学び、それを自分の利益のために活用するスキルを身につけてください。
ビジネス英単語・表現を紹介します。
この章では知っておきたいビジネスで使われる英単語と英語表現を厳選して30個ずつ、計60個紹介していきます。
ビジネスで使われる英単語
ビジネス英語は日常英語とは一線を画す、特有の単語と表現が豊富に存在します。これらの単語や表現は、ビジネスの現場でのコミュニケーションにおいて、大きな役割を果たします。
以下に日常英語とビジネス英語の単語の例をいくつか示します。日常英語で使われる単語と対比しながら、ビジネス英語がいかに異なる表現を用いるかを理解していきましょう。
日本語訳 | 日常英語 | ビジネス英語 |
---|---|---|
1. 購入する | Buy | Purchase パーチェス |
2. 終了する | End | Terminate テーミネイトゥ |
3. 確認する | Check | Verify ベリファイ |
4. 懸念する | Worry | Concern コンサーン |
There are some concern areas in the software design.
ソフトウェアの設計にはいくつか気がかりな点があります。
I‘m concerned about whether the project will go smoothly.
私はそのプロジェクトがうまくいくか心配しています。
日本語訳 | 日常英語 | ビジネス英語 |
---|---|---|
5. 同一の | Same | Identical アイデンティカル |
6. 解決する | Fix | Resolve リゾルブ |
7. 示す | Show | Demonstrate デモンストレート |
8. 助ける | Help | Assist アシスト |
9. 戦略を練る | Plan | Strategize ストラテジャイズ |
10. 議論する | Talk about | Discuss ディスカス |
11. 通知する | Tell | Inform インフォーム |
12. 私は謝罪します | I’m sorry | I apologize アィ アポロジャイズ |
“I’m sorry“(アイム・ソーリー)と”I apologize“(アイ・アポロジャイズ)は共に謝罪の表現ですが、使用する場面が異なります。
“I’m sorry“: 日常的な謝罪や共感の表現によく使われます。
例: “I’m sorry I was late.“
“I apologize“: ビジネスや公式な状況での謝罪に適しています。
例: “I apologize for the error.“
ちなみに、”My apologies”(マイ・アポロジーズ)は”I apologize”と同様に、公式な謝罪の場面で使われます。
例: “My apologies for the misunderstanding.“
日本語訳 | 日常英語 | ビジネス英語 |
---|---|---|
13. 特定する | Find out | Identify アイデンティファイ |
14. 考慮する | Think about | Consider カンシダー |
15. 増える | Go up | Increase インクリーズ |
16. 減る | Go down | Decrease ディクリーズ |
17. 開始する | Start | Initiate イニシエイト |
18. 確立する | Set up | Establish エスタブリッシュ |
19. 維持する | Keep | Maintain メインテイン |
20. 試みる | Try | Attempt アテンプト |
Tryは「結果は気にせずに試してみる」、Attemptは「結果を出すために試行錯誤してみる」ようなイメージを持っています。
どちらの単語もそのまま置き換えて使えます。
例:We will attempt to see if the idea is feasible.
そのアイデアが実現可能かどうか試してみます。
日本語訳 | 日常英語 | ビジネス英語 |
---|---|---|
21. 返答する | Answer | Respond リスポンドゥ |
22. 必要とする | Need | Require リクワィヤー |
23. 熟考する | Think | Contemplate コントゥンプレイトゥ |
24. 発送する | Send | Dispatch ディスパッチ |
25. 言う | Say | Mention メンション |
“Say”と”Mention”はほぼ同じ意味ですが、簡単に言えば、”say”は一般的な意味の「言う」。一方、”Mention”は「言及する」は特定の情報や詳細を具体的に指摘または参照することを指します。
「As you say, ~」 よりも 「As you mention, ~」 と伝えてみましょう。
日本語訳 | 日常英語 | ビジネス英語 |
---|---|---|
26. 参加する | Come | Attend アテンドゥ |
27. 選ぶ | Choose | Select セレクト |
28. 入手する | Get | Obtain オブテイン |
29. 結果 | Result | Outcome アウトカム |
30. 明らかにする | Explain | Elucidate ウルーサデイトゥ |
“Explain”と”Elucidate”は両方とも何かを理解しやすくするために詳細を明らかにすることを意味しますが、その使用の文脈と調子が異なります。
“Explain”はより一般的な用語で、日常会話やビジネス会話で広く使われます。それは単純または複雑な概念、事実、プロセスを明らかにすることを含むことができます。
一方、”Elucidate”はより公式かつ学術的な文脈で使用されます。それは通常、深く理解するために詳細や複雑な概念を明らかにすることを含みます。
そのため、”Explain”が広範で多用途なのに対して、”Elucidate”はより特定の、高度な、または形式的な状況で使用されることが多いです。
これらの語彙はビジネスの現場でよく使われるものなので、その場面で瞬時に意味が分かるメリットは計り知れません。これらの単語を覚え、聞き分けられるようにするだけで十分ですが、もしあなたが日常英語とビジネス英語を使い分けることができれば、あなたのビジネスコミュニケーションは一層プロフェッショナルになります。
ビジネスで使われる英語表現
ビジネス英語ではより正式かつ具体的な表現が好まれます。以下に日常英語とビジネス英語の表現を比較した例をいくつか挙げます。
1.時間になったから始めよう。
日常英語: It’s time. Let’s start.
ビジネス英語: As we’ve reached our scheduled time, let’s get started.
“Let’s start” は”今すぐ始めましょう”という意味ですが、”Let’s get started” は ”そろそろ始めましょう”というニュアンスになります。
2.3時に会いましょう。
日常英語: Let’s meet at 3pm.
ビジネス英語: Shall we schedule a meeting for 3pm?
ここで、「schedule」は動詞として使われています。この場合の「schedule」は「計画する or 予定する」という意味です。
3.現在、忙しいです。
日常英語: I’m busy right now.
ビジネス英語: I’m currently tied up with another matter.
「Tied up」はイディオムで、直訳すると「結ばれた、つながれた」などとなりますが、一般的には比喩的に使われ、「忙しい」または「手が離せない」などの意味を表します。
4.明日それをします。
日常英語: I’ll do it tomorrow.
ビジネス英語: I will see to it first thing tomorrow.
“first thing” は「何はさて置き、第一に」という意味です。
5.それを早くしてもらえますか?
日常英語: Can you do it faster?
ビジネス英語: Could you expedite the process?
ここで”expedite”は動詞として使われていますが、”Expedited shipping” は発送などの「速達・急送」というようにも頻繁に使われます。
6.ここで終わりましょう。
日常英語: Let’s stop here.
ビジネス英語: Shall we conclude the meeting at this point?
「Conclude」は英語で「結論づける」「終える」「終わらせる」などの意味を持つ動詞です。
7.それは高すぎます。
日常英語: That’s too expensive.
ビジネス英語: That exceeds our budget.
「予算を超えてしまっています」、という遠回しの表現は日本人にはピッタリですね。
8.それはできません。
日常英語: It’s not possible.
ビジネス英語: I’m afraid that’s not feasible.
“feasible” は「可能性がある」という意味でビジネスにおいてよく使われます。
9.あなたは間違っています。
日常英語: You’re wrong.
ビジネス英語: My understanding of that was incorrect.
こちらも、相手のことを言うのではなく、「私の理解が間違っていました。」という謙虚さが日本人好みではないでしょうか。
10.この方法でやりましょう。
日常英語: Let’s do it this way.
ビジネス英語: I propose we proceed in this manner.
ここでの “manner” は、「方法」という意味で、”in the manner” で「その方法で、」となります。
11.私は決められません。
日常英語: I can’t decide.
ビジネス英語: I’ll need more time for consideration.
“consideration”は、「考慮 or 検討」という意味になります。
12.これはよくありません。
日常英語: This is bad.
ビジネス英語: This is not up to our usual standards.
“not up to ~” で、「~に不適格である」というように使われます。
13.あなたの助けが必要です。
日常英語: I need your help.
ビジネス英語: I could use your expertise on this.
“expertise” [エクスパティーズ] は、「専門知識」という意味ですね。
14.私はそれについて知りません。
日常英語: I don’t know.
ビジネス英語: Let me confirm and get back to you.
“Let me confirm”は「私が確認します」という意味になります。
この表現はビジネスで頻繁に使用します。自分でも使えるようになっておきましょう。
15.少々お待ちください。
日常英語: Wait a moment.
ビジネス英語: Kindly hold for a moment while I check that for you.
“Kindly” はビジネスシーンでよく目にします。単語自体は「親切に」という意味なので丁寧に伝えたいときなどに使うことができます。例えば “Please” の代わりに “Kindly” を使うことができます
Kindly send back the invoice.
請求書を送り返してください。
16.それは問題ありません。
日常英語: That’s fine.
ビジネス英語: That’s in alignment with our objectives.
“In alignment”というフレーズは、一つ以上の事柄が他の事柄と一致または調和していることを示します。ビジネスの文脈では、目標、戦略、アクションプランなどが互いに一致、または互いに支持し合っていることを指します。
17.彼の言うことは正しいです。
日常英語: He is right.
ビジネス英語: His statement aligns with the facts.
“aligns[アラァイン] with”は、「~と一致する」「~と調和する」、「~と整合性がある」という意味になります。
18.私たちは同じ意見です。
日常英語: We think the same.
ビジネス英語: Our perspectives align on this matter.
“perspective” は、物事に対する「見方、視点」という意味でしばしば使われます。
From his perspective, the result seems promising.
彼の視点では、その結果は約束されているようだ。
19.これは彼の決断です。
日常英語: It’s his decision.
ビジネス英語: This falls under his jurisdiction[ジュリスディクション].
“Jurisdiction”は「管轄権」、「権限」などの意味を持ちます。ここでの”fall”は「該当する」、「範囲に入る」という意味です。
よってこの文章は、「これは彼の管轄下にあります。」または、「これは彼の権限の範囲内です。」という意味になります。
20.新しいアイデアが必要です。
日常英語: We need a new idea.
ビジネス英語: We need to innovate.
“We need to innovate.” はより抽象的で、全体的なアプローチや手法の変化を示しています。
この文章は、単なる新たなアイデアだけでなく、組織全体やプロジェクト全体の革新的な変化が必要であることを指しています。
21.それを直す必要があります。
日常英語: We need to fix it.
ビジネス英語: We need to address this issue.
“address” は、「取り組む」、「対処する」、「扱う」などの意味を持つ動詞です。
22.それについて考えてみましょう。
日常英語: Let’s think about it.
ビジネス英語: Let’s take that into consideration.
“Take that into”は一般的に、何かを考慮に入れる、または何かを考えて行動するときに使われる表現です。しばしば “take that into account” や “take that into consideration” のように用いられます。
23.それについてはあなたの専門知識が必要です。
日常英語: We need your expertise on this.
ビジネス英語: Your expertise would be beneficial in this regard.
“in this regard” は、「この点について」という意味になります。
24.私はそのことを確認します。
日常英語: I will check that.
ビジネス英語: I will verify that.
“verify” は「検証する」という意味で頻繁に使用されます。
25.それはとても良いアイデアです。
日常英語: That’s a great idea.
ビジネス英語: That’s an excellent proposition.
“Proposition”は英語で「提案」や「命題」などの意味を持つ単語です。ビジネスの文脈では、特定の取引、提案、または考えについて言及するときによく使われます。
“Proposal”とは、本来は微妙な違いがありますが、「提案」として覚えておけば困りません。
26.とても有意義な会議でした。
日常英語: It was a really good meeting.
ビジネス英語: It was a highly productive session.
“productive”は、「生産的な、実りの多い」という意味でも使われます。そのほかにも、”fruitful”も同様に使われることもあります。
“productive meeting” / “fruitful meeting” 「有意義な会議」
27.その結果について教えてください。
日常英語: “Tell me about the result.”
ビジネス英語: “Kindly provide an update on the outcome.”
日常英語の “Tell me about the result.” では、具体的な行為やタスクの結果について尋ねています。これは一般的な日常的な会話でよく見られる形式です。
一方で、ビジネス英語の “Kindly provide an update on the outcome.” では、ビジネスの文脈や全体的な状況の結果(outcome)についてのアップデートを丁寧に求めています。これはビジネスの文脈で特に適しています。
28.それは我々の目標です。
日常英語: “That’s our goal.”
ビジネス英語: “That’s our targeted objective.”
“objective”は、「目標」または「目指すべき結果」という意味を持ちます。ビジネスの文脈では、特定の結果や成果を達成するために設定された明確な指標やゴールを指すことが多いです。
29.それは現在進行中です。
日常英語: “It’s in progress now.”
ビジネス英語: “It’s currently under process.”
“under ~”は、~の状況下のように使えます。例えば、”That is still under consideration.” は「それはまだ検討中です。」というように使えます。
30.それはとても重要です。
日常英語: “That’s very important.”
ビジネス英語: “That’s highly critical.”
“critical”はビジネス上でよく使います。例えば critical “requirement” は「重要要求」という意味になります。
これらの表現は実際の会議やメールでもよく使われる表現です。
あくまで一例ですが、ビジネスの場ではより尊敬の念を持ちつつ、かつ具体的で明確な表現を使うことで、より効果的にコミュニケーションを取ることができます。
ビジネス英語を覚える学習法
ビジネス英語を学習するためにはインプットは必須です。普段の業務だけでビジネス英語を吸収するのは効率が悪いため、別途学習の機会を設けましょう。
「金フレ」で単語を覚える
TOEIC L&Rの勉強法としてお勧めしている参考書「金フレ」でビジネス英語を学ぶのはおすすめです。
TOEICテストはビジネス上の会話やメールのやりとりが出題されるため、それに必要なビジネス単語も必ず収録されています。日常英会話の学習だけでは学ぶことができない単語を効率よく学ぶことができます。
オンライン英会話でインプット&アウトプットする
インプットとアウトプットが同時にできるのはオンライン英会話です。
オンライン英会話では色々な教材が提供されており、その中にはビジネスで使用する表現を学ぶことができます。例えば、DMM英会話では下記のような「ビジネス上での謝罪」についての表現も学べる教材も準備されています。
オンライン英会話では、インプットだけではなくアウトプットができることがとても有効です。自分で声に出すことで覚えた単語や表現が浸透して、実際の場面でも使えるようになっていきます。コストパフォーマンスも高いオンライン英会話を活用しましょう。
最後に、 「金フレ」や「オンライン英会話」で効率よく学ぼう
この記事では、ビジネス上で使う英語単語、英語表現について紹介しました。実際の場面で聞いたことがあった表現もあったのではないでしょうか。
ビジネス英語はビジネス上で学べばよいと考える方もいるかもしれませんが、私の経験上ビジネス英語や表現は、業務上で身に着けるのには非常に時間がかかります。
ここで紹介したような、「金フレ」のようなTOEICの参考書や、「DMM英会話」のようなオンライン英会話で効率よく学びビジネスに活かしていただきたいと思います。
少しずつでも覚えていくことで、実際の場面で ”その表現聞いたことある!” という、うれしい発見が増えていくと思います。ぜひ楽しく、効率よく学習してもらえればうれしいです。みなさんのご活躍心からお祈りしています。
最後までご覧いただきありがとうございました。