多くの人が学生時代に「Shall」の使い方を学んだことでしょう。例えば、「Shall I open the window?」(窓を開けましょうか?)や「Shall we dance?」(踊りましょうか?)といったフレーズは、何度か耳にしたことがあるかもしれません。しかし、この「Shall」という単語が持つ本来のイメージや、ビジネスコンテキストでの使用方法については、十分に理解している人は少ないと思います。
この記事では、「Shall」がビジネス英語でどのように使われているか、その具体的なイメージと使い方に焦点を当てて解説します。
目次
ビジネスにおける”Shall”は「~とする」
ビジネスシーンでは、契約書や仕様書などに「Shall」が頻繁に用いられます。特にイギリス英語圏でこの用法が一般的です。
それでは、「Shall」がどのように使用されるのか、具体的な例文を通じて見てみましょう。
The product shall be delivered within three business days.
(製品は3営業日以内に配達されるものとする。)
この例文では、”Shall”を使用して、製品の配達が義務づけられています。具体的には、製品が注文から3営業日以内に顧客に届けられることが保証されているという意味になります。
The software shall be compatible with all Windows 10 systems.
(ソフトウェアは全てのWindows 10システムと互換性があるものとする。)
この”Shall”は仕様書の中で技術的な要件を設定しています。ソフトウェアがすべてのWindows 10システムと互換性を持つことが求められています。
The software shall support both Japanese and English.
(そのソフトは日本語と英語をサポートすることとする。)
この例文では、「Shall」を使用して、ソフトウェアが日本語と英語の両方をサポートするという義務が課せられています。
「Shall」は、「~とする」という意味で、ビジネス文書に主に使用されます。”Will”でも同様の意味を持ちますが、”Shall”はよりフォーマルな響きを与えます。
私の経験でもヨーロッパのお客様から受け取った仕様書は、”Shall”の表現が多用されていました。私達には馴染がありませんがビジネスの書面では使われる表現のため覚えておくとよいでしょう。
「Shall」は、ビジネスの口頭でのやりとりにも使われることがありますが、主にフォーマルな状況や義務や確約をはっきりさせたい場面で使用されます。例えば、プロジェクトの会議で「We shall complete the report by next Friday.」(来週の金曜日までにレポートを完成させることにします。)と述べることで、その義務や約束を強調することができます。
一方で、日常的なビジネス会話では「Will」がより頻繁に使用され、未来の行動を表す主な補助動詞となります。そのため、「Shall」を使う際は、その文脈や相手がフォーマルなニュアンスを期待しているかどうかを考慮する必要があります。
“Shall”は「お互いにそう思っている」というイメージ
ビジネス以外の場面でも「Shall」は用いられます。この表現を理解し、スムーズにコミュニケーションを取るために、そのニュアンスを掴むことが重要です。
「Shall」の基本的な意味は「~しましょうか?」ですが、その背景には「お互いにそうしたいと思っている」という共有の想定があります。この点を把握することが、コミュニケーションにおいて役立ちます。具体例を挙げて、この意味を詳しく見ていきましょう。
Shall I take the minutes of this meeting?
(会議の議事録とりましょうか?)
この表現では、会議に出席している人(例えば上司)が議事録を私にとってほしいだろうなと思っているときに使われます。
Shall I turn on the A/C(air conditioner) ?
(エアコンつけましょうか?)
この表現でも相手が暑いのでエアコンをつけてほしそうだなと感じているときに使うことができます。
Shall we start the presentation?
(プレゼンテーションを始めましょうか?)
例えばお客様へのプレゼンの場面で時間になったのでそろそろプレゼンを始めることを期待していることを予期しているときに使われます。
相手の望みや予期に関わらず「~しましょうか?」と伝えたい場合には下記のような表現を用いるとよいでしょう。
“Shall I”の代わりに使う場合
”Should I ~”
”Would you like me to ~”
“Shall we”の代わりに使う場合
”Let’s ~”
”Should we ~”
ビジネス以外のコンテキストでは、「Shall」は提案や軽い誘いを表す際に使われることもありますが、現代英語ではよりカジュアルな「Should」や「Will」に取って代わられつつあります。例えば、「Shall we go to lunch?」は友人とのランチの提案に使えますが、よりカジュアルな「Should we go to lunch?」や「Do you want to go to lunch?」の方が一般的です。
このように、「Shall」はその使用状況に応じて非常に便利な表現ですが、その文脈を理解し、適切な場面で用いることが重要です。特に法的または公式な文書では、その精確さが求められるため、正確に使いこなせるようにしましょう。
ビジネスで使われる表現をどのように身につけるか?
ビジネスシーンで必要とされる英語表現を独学で学ぶのは困難です。何をどう学べば良いか分からない状況で効果的な学習法を見つけるのは難しいものです。そんな時に役立つのがオンライン英会話の利用です。
多くの方がオンライン英会話を、学生時代の教科書を使った勉強と同じだと思いがちですが、現在のオンライン英会話サービスでは多彩な教材から選び、自分の興味に合わせて学習することが可能です。たとえば、DMM英会話などの人気オンライン英会話サービスでは、ビジネス英語の教材として、実際のビジネス場面で使われる略語を学ぶコースも提供されています。
上記の記事では、ビジネスのパフォーマンスを評価するための「KPI = Key Performance Indicators」のような重要な指標について学ぶことができます。このような知識はマーケティングや経営層には必須ですが、エンジニアが接触する機会は少ないかもしれません。英語学習を通じて、ビジネスマンとしての知識も深めることができます。
オンライン英会話スクールの最大の利点は、マンツーマン指導が受けられることと、24時間いつでもどこからでもレッスンが可能な点です。多忙な方々でも継続しやすい環境が整っていますので、積極的に英語学習を始めてみると良いでしょう。ビジネスで使われる英語表現を事前に学習しておくことで周りの人と一歩差がつきます。
オンライン英会話には多くの選択肢がありますので、自分に合ったスクールを見つけることをお勧めします。私個人としては、私が継続して利用しているDMM英会話を特におすすめします。
“Shall”のイメージを掴み、実践で表現を定着させよう
この記事を通じて、ビジネスで使用される「Shall」の意味と、一般的な使用状況について解説しました。「Shall」はビジネス文書、特に仕様書や契約書などで「~とする」という意味でよく使われます。海外のクライアントと契約を結ぶ際や要求仕様を交換する際などによく目にするため、この表現は重要です。
The software shall be compatible with all Windows 10 systems.
ソフトウェアは全てのWindows 10システムと互換性があるものとする。
一方で、より一般的な「Shall」は「お互いそう思っている」というニュアンスを持ちます。これは単なる「~しましょうか?」を超え、相手がその行動を望んでいるという前提で提案されることが多いです。
Shall we start the presentation?
プレゼンテーションを始めましょうか?
これらの用法を理解することで、「Shall」をもっと身近に感じ、活用できるようになります。知識を深めたら、それを実際のビジネスシーンで使ってみることが、表現を自分のものにする最良の方法です。特に、海外の方とのメールや会話では積極的に使ってみましょう。
業務で英語を使う機会が少ない方や、効率的に学びたい方にはオンライン英会話の活用をお勧めします。これにより、英語とビジネス用語を併せて学ぶことができます。まだ試したことがない方は、ぜひ無料体験レッスンを受講してみてください。英会話が身近なツールとなり、ビジネスでの自信がつくでしょう。
ビジネスの場でより自信を持って英語を使うために、今すぐ行動を始めましょう。