この記事では、グローバル化が進む現代社会において、英語能力がエンジニアにとって必須の知識となり、昇進においても必要不可欠な条件になりつつある現状を解説します。
一般に、GAFAMなどの世界的企業では英語能力が必須とされることは周知の事実です。しかし、実際には日本企業でも、グローバル展開を行う上での英語コミュニケーションスキルの重要性が高まっています。一見、「日本は年功序列主義である」との見方が強い中で、実際のところ英語の能力と昇進の関連性はどの程度あるのでしょうか？
私自身、エンジニアマネージャーとしての経験をもとに、英語でのコミュニケーションスキルが昇進にどのように関わってくるのか、その背景と具体的な理由を解説していきます。
目次
英語レベルと年収の関連性：調査結果から見る昇給の可能性
英語のレベルと給与には明確な相関関係が存在します。この点に関して、非常に興味深い調査結果があります。
2020年、エンワールド・ジャパン株式会社によって行われた「英語レベルと年収の相関関係」に関する調査では、英語レベル「上級」（流暢）の人の約60％が年収1,000万円以上であると回答しています。一方、英語レベル「初級」（挨拶レベル）の人ではその割合が約10％に留まり、約50ポイントの大きな差が見られました。つまり、英語のレベルが上がるにつれて、年収が高くなる傾向が明らかにされています。
同様に、英語力が高い人が高年収の転職に成功しているというデータもあります。
「英語力と高年収の関係をDaijob.comが独自調査～コロナ禍においても英語力の高い40・50代女性は女性平均年収の約1.6倍～（PRTIMES）」
これらの調査結果から、英語レベルが高いことが年収の向上に直結していることが実証されています。
これは英語学習の価値を改めて認識させるものであり、英語の勉強は生涯年収に関わる「投資」としての価値があると言えるでしょう。
私が勤務する企業も同じ。英語レベルが高い人が昇進していく。
私はプライム市場上場企業に約20年勤めており、現在はメカエンジニアのマネージャーをしています。これまで欧米顧客とのプロジェクトに携わってきました。
実際に、私の周りではどのような状況なのか？改めて確認してみました。
私が所属するある組織の中で、課長職以上は36名います。そのうち19名（約52%）は、英語が堪能で1人で海外のお客様と交渉できるレベルの方です。少ないと感じるかもしれませんが、総務や工務などの間接部署も含んでおり、60歳を超えている方も複数名含まれています。
さらに、この数年に絞ると若く課長職に登用された5名のうち4名は英語が堪能な方です。例に漏れず、私が勤める企業も英語の能力と給与には関連性があるようです。
私の勤務先の社長も、英語を学ぶ必要性についてよく色々なところで話をしています。
英語力が昇進・給与アップにつながる理由
ここまでの調査内容からも、英語能力と年収の間には明らかに関連性が存在することが見受けられます。
さらに、IIBCによる調査結果では、TOEICスコアを「昇進や昇格の基準」としている企業が全体の約33.4%にのぼることが明らかになりました。
では、なぜ英語ができると昇進の候補に挙がるのでしょうか？
実際、日本国内でビジネスを行う際、新製品の開発から材料調達、生産、そして販売に至るまで、多くのプロセスで海外との連携が不可欠です。そのため、高い英語力＝効果的なコミュニケーションが可能な人材は、非常に高い価値を持つと言えます。
特に、2022年のEF EPIによる調査結果が示す通り、日本人の英語力は世界80位（アジアで14位）と、国際的な水準から大きく後れを取っています。これは、英語が堪能な日本人が珍重される背景を提供しています。
エンジニアでありながら英語コミュニケーションスキルを持つ人材は、さらに貴重です。こうした人材は組織運営能力も有していると評価され、昇進の候補に挙げられるのです。
このように、単一のスキルではなく、複数のスキルを組み合わせることで、その人材の価値は大幅に向上します。
英語コミュニケーション能力の向上方法：実践がカギ
英語コミュニケーション能力を身につける上で、最も効果的な方法は実践を通じて学ぶことです。以下に私自身と私の周りで効果があった方法を紹介します。
実践で学ぶ
実践を重ねることが、英語コミュニケーション能力向上の最も直接的な方法です。
積極的な資料作成とフィードバック:
英語での資料作成とそれに対する添削を定期的に受けること、海外の方への説明を行うこと。これらを継続することで、英語でのコミュニケーション能力が劇的に向上します。
模倣からの学習:
英語が堪能な先輩のメールや会議でのフレーズを積極的に真似ることは、学習に大きな効果をもたらします。
文化と言語の学習:
英語学習は単なる言語習得だけでなく、異文化理解も含まれます。異文化を理解し、自分の意見を効果的に説明・交渉することは、現場での実践を通じて最も身に付きます。
このように、実際の行動を通じて英語能力を高めることで、異文化間のコミュニケーションにおいても自信とスキルを身につけることができます。
英語を使用する業務がある場合、自ら進んでその機会を求め、海外顧客とのプロジェクトへの参加意欲を明確に示しましょう。このような積極性は、自身をアピールする絶好のチャンスとなります。
企業も優秀な人材を失いたくないため、人事異動を含めたキャリアパスを提案することがあります。自分の希望や意欲は、積極的に伝えることが重要です。
「できるから行動する」のではなく、「行動することでできるようになる」というマインドセットが、実際に成果を生むことが多いです。
オンライン英会話スクールで学ぶ
実務で英語を使う機会が少ない方には、オンライン英会話を通じて英語コミュニケーションスキルを身に付けることを推奨します。
私たちは日常生活で英語に触れる機会が圧倒的に不足しており、海外の人との接点も乏しいのが現状です。これが、英語を使用する人とのスキルギャップを広げています。
この二つの問題を解決する手段としてオンライン英会話があります。優れた英会話スクールでは、毎日のマンツーマンレッスンを月額6,000円台で提供しているところも多くあります。
まずは英語に触れ、海外の人との会話機会を増やして、そのハードルを下げましょう。継続することで、英語の語彙や表現力は必ず向上します。
英語学習には時間がかかります。チャンス到来時に備え、今から準備を始めましょう。
おすすめのオンライン英会話スクールはどこか？ おすすめはDMM英会話！
多くのオンライン英会話スクールが存在するため、自分に合ったスクール選びが重要です。ほとんどのスクールでは無料の体験レッスンを提供しているので、複数試してみることをおすすめします。
選択に迷う場合は、DMM英会話を推奨します。豊富な教材と世界各国の講師が24時間対応しており、長期間の継続学習に適しています。
DMM英会話は教材が充実しており、世界中の講師のレッスンが24時間いつでも受けられます。私も2年以上継続できています。
最後に、英語でのコミュニケーションは英語力ではなく意思の疎通
この記事では、英語でのコミュニケーションスキル向上について、その必要性とその理由を紹介してきました。
これまでの調査結果や、私の企業の管理職登用などを振り返ってみても、英語でのコミュニケーションスキルと昇進には関連性があります。
今まで曖昧に感じていたその必要性を数字で理解できるだけで英語への学習姿勢も変わると思います。
エンジニアのみなさんであれば、特に英語でのコミュニケーションスキルの向上を目指した勉強は「投資」になると思います。
技術進歩の著しい現代であれば、Google翻訳、DeepL翻訳などのアプリや、ChatGPTに代表されるようなAIサービスも提供されており、英語の翻訳、校正に関しては英語スキルにかかわらず個人レベルで対応できていくでしょう。
しかし、英語でのコミュニケーションは相手が人である以上、いくら翻訳機ができてもそれはあくまでも翻訳ツールであって意思の疎通ができるかどうかは別です。
海外のパートナーと協力していく上で、英語でのコミュニケーション能力が不要になることは考えにくく、むしろ重要性が増してくるでしょう。
みなさんには、英語を１つのツールとして割り切らず、相手の心と心を通わせることができる、会話ができる英会話コミュニケーションスキルを身につけられるように一緒に学習していきましょう。
