ビジネスシーンで使われる英語表現には、スポーツ用語を基にしたものが多く存在します。その中でも「ballpark」はネイティブ同士のコミュニケーションではよく使われますが、日本人には馴染みが薄い表現の一つです。
「ballpark」は「おおよそ」や「概算」を意味し、具体的な数値や見積もりを求める際によく使われます。このように、その単語の意味だけでは理解が難しい英語表現はこの他にも多く存在します。本記事では、「ballpark」を始めとしてビジネスで使われるスポーツにまつわる英語表現をその由来とともに紹介します。
目次
「ballpark」の意味と使い方
「ballpark」という表現は、特定の数値や詳細な見積もりを求めるのではなく、大まかな範囲や概算を示す際に使用されます。これは、野球場(ballpark)が一般的に広い範囲を指すことから来ています。
「ballpark」は「おおよその」や「概算の」を意味し、主に以下のような場面で使用されます:
- 大まかな見積もりを求めるとき
- 概算の数値を提示するとき
それでは、具体的な使い方を例文を用いて紹介していきましょう。下記の例文では、詳細な数値を求めるのではなく、大まかな見積もりを求めています。
“Can you give me a ballpark figure?”
概算を教えてもらえますか?
“The ballpark cost of the project is around $10,000.”
プロジェクトの概算費用は約1万ドルです。
例文における「figure」は「数値」や「数字」を表します。この「figure」がないと、意味がやや曖昧になり、「ballpark」という表現だけでは何を求めているのかが明確でなくなります。
“Just give me a ballpark estimate for now.“
今はおおよその見積もりを教えてください。
“We’re looking at a ballpark completion date of next March.“
完成予定はおおよそ来年の3月です。
この例文の「a ballpark estimate」は実際の業務でも頻繁に使われる表現です。「ballpark」を使わない表現としては、”Just give me a rough estimate for now.“と「rough」を使っても同様の意味になります。
「ballpark」を理解し、適切に使うことで、ビジネスコミュニケーションをよりスムーズに行うことができます。特にエンジニアにとっては、プロジェクトの進行状況や予算管理において重要な表現です。
その他のスポーツ由来のビジネス英語表現
前の章で「ballpark」という表現について詳しく説明しました。この章では、「ballpark」以外のスポーツ由来のビジネス英語表現を紹介します。これらの表現もビジネスでよく使われるため、コミュニケーションを円滑に進めるためにしっかり覚えておきましょう。
よく使うスポーツ由来のビジネス英語表現
Touch base(連絡を取る)
「touch base」は、連絡を取ることを意味します。これは野球でプレーヤーがベースに触れることで確認する動作から来ています。ビジネスでも、重要なポイントを確認する短い会話を表します。
“Let’s touch base next week.”
来週に確認し合いましょう。
“I just wanted to touch base and see how you’re doing.”
ちょっと連絡して、様子を確認したかっただけです。
これらの例文では、「touch base」が短い確認や連絡を意味することを示しています。
Kick off(開始する)
「kick off」は、開始する、始めるという意味です。これはサッカーで試合開始時にボールをキックすることから来ています。ビジネスでも、新しいプロジェクトや会議の開始を表現する際に使います。
“Let’s kick off the meeting.”
会議を始めましょう。
“We’re having a kick-off meeting for the new project.”
新しいプロジェクトのキックオフミーティングを行います。
「kick off」は「始める」という動詞として使われますが、「kick-off」という形で「はじまりの」という意味の形容詞としてもよく使われます。
Out of left field(予想外の)
「out of left field」は、突然、予想外のことを意味します。これは野球で、通常予想しない左翼(レフト)からボールが飛んでくることから来ており、驚きや予測不能な出来事を表しています。
“The new requirement came out of left field.”
新しい要件は予想外だった。
“His comment was completely out of left field.”
彼のコメントは完全に予想外だった。
ビジネスシーンでは、意外な問題や提案が出てきた場合に「This came out of left field.」のように使われ、予想外の状況に対する驚きを表現します。
On the ball(仕事が迅速で効率的、飲み込みが早い)
「on the ball」は、仕事が迅速で効率的であること、または飲み込みが早いことを意味します。これは「on the ball」が野球でボールにしっかり集中している状態を示し、ビジネスでも仕事に集中し、迅速かつ効率的に対応することを表します。
“She’s really on the ball with these reports.”
彼女はこれらのレポートをとても迅速に処理しています。
“You need to be on the ball to succeed in this role.”
この役割で成功するには、飲み込みが早い必要があります。
「on the ball」は単に「集中している」という意味以上のものを含んでいます。この表現は以下の意味を含んでいます。このように、「on the ball」は集中力だけでなく、迅速な対応力や理解力も含んでいます。
1.集中している:
プレーヤーがボールの動きに対して注意深く集中している状態。
2.迅速で効率的:
仕事やタスクに対して素早く反応し、効率的に処理できる能力。
3.飲み込みが早い:
新しい情報やスキルを迅速に理解し、適応できる能力。
Par for the course(通常のこと)
「par for the course」は、予想通り、通常のことを意味します。これはゴルフで基準打数(パー)に従うことから来ており、通常の範囲内の出来事や結果を示します。
“Delays are par for the course in this kind of project.”
この種のプロジェクトでは遅延は通常のことです。
“Problems are par for the course in large IT projects.”
大規模なITプロジェクトでは問題は通常のことです。
「par for the course」は予測された範囲内のことや特に驚くべきでない出来事に対して使われます。ビジネスだけでなく、日常会話でも使われます。
その他のスポーツ由来のビジネス英語表現一覧
これまでの記事で「ballpark」や他のスポーツ由来のビジネス英語表現について紹介してきました。この章では、さらに多くのスポーツ由来のビジネス英語表現をリストアップし、例文とともに紹介します。
表現 | 意味 | 例文と日本語訳 |
---|---|---|
Drop the ball | ミスをする 失敗する | “I really dropped the ball on this project.” このプロジェクトで大きなミスをしてしまった。 |
Game plan | 戦略や計画 | “We need a solid game plan to win this contract.” この契約を取るにはしっかりとした戦略が必要です。 |
Hit a home run | 大成功を収める | “The new product launch hit a home run.” 新製品の発売は大成功を収めました。 |
Throw in the towel | 諦める 降参する | “We can’t throw in the towel now.” 今は諦めるわけにはいきません。 |
Get the ball rolling | 物事を始める | “We need to get the ball rolling to meet the deadline.“ 締め切りに間に合わせるために物事を始める必要があります。 |
Step up to the plate | 責任を引き受ける 挑戦する | “It’s time to step up to the plate and lead the team.“ チームを率いる時が来ました。 |
Take a rain check | またの機会にする | “Can we take a rain check on that meeting?” その会議はまたの機会にしてもいいですか? |
Touchdown | 大成功、目標達成 | “The marketing campaign was a touchdown.” マーケティングキャンペーンは大成功でした。 |
Full court press | 強力な取り組み 全力での努力 | “We need a full court press to meet the deadline.“ 締め切りに間に合わせるために全力で取り組む必要があります。 |
Slam dunk | 確実な成功 間違いないこと | “This proposal is a slam dunk.“ この提案は確実に成功します。 |
Ahead of the curve | 先行している 先を行っている | “We need to stay ahead of the curve in this industry.” この業界で先行し続ける必要があります。 |
Curveball | 予想外の出来事や 変化球 | “The new regulations are a real curveball for us.” 新しい規制は私たちにとって予想外のことです。 |
「Out of left field」と「curveball」は、どちらも予想外の出来事や驚きの要素を指しますが、微妙に異なるニュアンスがあります。端的に説明すると、予測不可能な驚きを「out of left field」とし、意図的な変化や挑戦的な問題を「curveball」として使い分けます。
Out of left field(予想外の)
この表現は、完全に予測できない、突然の出来事を指します。通常の流れから外れた驚きの要素を示します。
Curveball(予想外の変化)
「Curveball」は、計画や期待に対する予想外の変化や問題を指します。元々は野球の変化球から来ていますが、意図的に困難を引き起こすようなニュアンスがあります。
これらの表現を理解しているだけでも、ビジネスシーンでのコミュニケーションがより効果的になります。自分な好きなスポーツにまつわる表現を選択して、実際の業務などでつかっていくのはよい方法の1つです。
これらの表現を日常のビジネスシーンで活用することで、英語力を向上させるとともに、コミュニケーションの質も向上させることができます。
アウトプット機会を増やすためにオンライン英会話を活用しよう
この記事で紹介した表現をインプットしたら、次はアウトプットして定着させることが重要です。まず、覚えたい表現を一つ選び、業務で英語を使う機会があれば、メールや会議で積極的に使ってみましょう。繰り返すことで、徐々にこれらの表現が自分のものになります。
業務で英語を使う機会が少ない方や効率よく学びたい方には、オンライン英会話の活用をおすすめします。マンツーマンレッスンが1レッスン225円から受けられるコースもあり、コストパフォーマンスに優れています。また、マンツーマンレッスンでは、間違えても恥ずかしくない環境で学べるため、安心して学習を進められます。
1. 高いコストパフォーマンス
マンツーマンレッスンでも1レッスン225円で受けられるコースがある。
2. アウトプットすることで英語が定着する
アウトプット機会を増やして英語表現を自分のものにする。
3. すきま時間にレッスンを受けられる
スマホさえあれば、24時間いつでもどこでもレッスンを受けられ、1レッスンは25分なのでスキマ時間を活用できる。
4. 好きな講師を選ぶことができる
レッスンを予約する際に、国籍や評価、経歴、趣味などから講師を選ぶことができる。
私も業務で英語を使いつつ、さらにオンライン英会話を活用して英語力を伸ばしました。私が使っているオンライン英会話はこちらです。
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この記事では「Ballpark(おおよその)」をはじめとして、スポーツにまつわる英語表現を紹介してきました。改めてよく使われる英語表現を確認してみましょう。
表現 | 意味 | 例文と日本語訳 |
---|---|---|
ballpark | おおよその | “Just give me a ballpark estimate for now.“ 今はおおよその見積もりを教えてください。 |
Touch base | 連絡を取る | “Let’s touch base next week.” 来週に確認し合いましょう。 |
Kick off | 開始する | “Let’s kick off the meeting.” 会議を始めましょう。 |
Out of left field | 予想外の | “The new requirement came out of left field.” 新しい要件は予想外だった。 |
On the ball | 仕事が迅速で効率的 飲み込みが早い | “She’s really on the ball with these reports.” 彼女はこれらのレポートをとても迅速に処理しています。 |
Par for the course | 通常のこと | “Delays are par for the course in this kind of project.” この種のプロジェクトでは遅延は通常のことです。 |
これらの表現は学校での英語教育で学ぶ機会は乏しいですが、実際に海外の方とコミュニケーションを取る際にはよく使われます。これらの意味を知っておくことで、業務でのコミュニケーションを円滑に進めることができます。
またこれらの英語表現をしっかり定着して自分のものにするためには、インプットだけではなくアウトプットする機会も同様に大事です。毎日業務で英語を使う方であれば、1つずつでいいので意識して使ってみましょう。その繰り返しで徐々に使いこなせるようになります。
業務で頻繁に英語を使う機会がない方や効率よく学習したい方はオンライン英会話を活用することがおすすめです。1レッスン225円という低価格でマンツーマンレッスンを受けられる機会を見逃すことはできません。ぜひこの機会に無料体験レッスンを受けて一歩を踏み出しましょう。その一歩が1年後、2年後に大きな差となって現れるでしょう。
語学学習はすぐに身につくものではありませんが、インプットとアウトプットを繰り返すことで必ず向上していきます。今まで会社の同僚でもそのような方を多く見てきました。皆さんの英会話学習を応援しています。