英語が苦手な皆さんはどのように英語学習をしていますか?業務で必要とされる英語表現を学ぶこともあれば、「スタサプEnglish」のような学習アプリを利用する方もいるでしょう。しかし、意外にも、書籍を使って英語を学ぶ方は少ないかもしれません。
書籍で英語を学ぶことには、多くのメリットがあります。自分のペースで未知の英語表現を理解しやすく、また、実績のある著者がその経験に基づいて伝える知識を手軽に得られることなどです。
この記事では、英語が苦手な方々に向けて、私が特におすすめする「ITエンジニアが覚えておきたい英語動詞30」という書籍から、特に知っておくべき重要なポイントを紹介します。
目次
海外のIT現場でよく使われる動詞トップ30は中学で習うものばかり
この本の著者、板垣政樹さんは、誰もが認めるMicrosoftでシニアプロジェクトマネージャーとして活躍されています。彼はアメリカのMicrosoft社に所属しており、その実際の現場で使われている英語表現をわかりやすく解説しています。
最も使用頻度の高い動詞トップ30をご紹介します!
海外のIT現場で特に頻繁に使用される動詞トップ30は以下の通りです。
No. | 動詞 | No. | 動詞 | No. | 動詞 |
1 | Be動詞 | 11 | find | 21 | start |
2 | have | 12 | make | 22 | share |
3 | do | 13 | look | 23 | create |
4 | use | 14 | let | 24 | go |
5 | get | 15 | want | 25 | include |
6 | file | 16 | set | 26 | take |
7 | see | 17 | think | 27 | run |
8 | send | 18 | help | 28 | try |
9 | know | 19 | add | 29 | fix |
10 | work | 20 | need | 30 | require |
これらの動詞を見て、皆さんはどう感じましたか?おそらく多くの方がこれらの単語に見覚えがあるのではないでしょうか。意外なことに、これらはMicrosoftで活躍するITエンジニアたちにとって最も使われている基本動詞です。
これらの動詞を理解するだけでも、英語学習のハードルが格段に低くなるはずです。中学で習うこれらの基本的な動詞を駆使するだけで、効果的にコミュニケーションを取ることが可能です。
動詞は意味だけでなく、イメージで覚える
本書では、動詞の意味を単に覚えるのではなく、そのイメージを捉えることの重要性を強調しています。
英語を“話す”のではなく、英語で“表現する”。
英語をただ「話す」のではなく、「表現する」ことが重要です。私たち日本人はしばしば、日本語の意味から直訳で英語を選びがちですが、視覚的なものをどのように英語で表現するかのトレーニングを積むことで、基本的な英単語でも豊かな表現が可能になります。
例えば、会社の会議で次のような状況表を見たとします。
項目 | 状況 |
プロジェクト A | 問題あり |
プロジェクト B | 予定通り |
プロジェクト C | 問題あり |
プロジェクト D | 問題あり |
プロジェクト E | 問題あり |
多くの人が、「たくさんの問題があります」と日本語で考え、それを英語に翻訳して「There are many problems.」や「We have many problems.」と言います。
この場面をイメージして表現する例として「I see many problems.」という言い方ができます。「多くの問題が見える」→「多くの問題がある」と”see”を使って表現できるのです。
このような表現方法は、英語ネイティブが日常的に使用している視点です。最も基本的な単語を使っても、具体的で直接的なコミュニケーションが可能になるのです。
このアプローチには驚かされます。実際、ほとんどのことは簡単な単語で表現することができるのですから。
「する・やる」は”Do”でほとんど事足りる
私たち日本人は英語で「do」を使う場面を疑問文に限定しがちですが、この単語は実は非常に便利です。
具体的な例を挙げてみましょう。
あなたの部署はどのような業務を行っていますか?
What does your department do?
仮にあなたの部署が「ソフトウェアデザイン」、「社内ネットワーク管理」、「外注との打合せ」を担当しているとします。これに対する回答はどうなるでしょうか?
多くの人は、それぞれの活動に適切な動詞を考えようとするかもしれません。結果として、適切な動詞が見つからず、「We…、We…、…」と話が途切れがちになることでしょう。
しかし、「do」を使って「do + 名詞」の形で表現することで、ほとんどの場合、簡単に英文を作成することが可能です。
ソフトウェアデザインもしていますし、社内のネットワーク管理もしていますし、外注管理もしています。
We do software design, we do internal network management, and we do meetings with contractors.
“do”を使うことで、動詞が出てこずつまずくこともありません。さらに”do”のあとには名詞を繋げればよいだけなので、スムーズに英語を話すことができるようになります。
海外の顧客などのやりとりを思い返してみても、”do”を使ったシンプルに伝えている方は多いです。
“Get”は「こいつをなんとかする」というイメージ
「get」という単語を聞くと、多くの方が「手に入れる」という意味を思い浮かべるでしょう。しかし、「get」にはそれ以外にも、具体的な2つのイメージがあります。
1. 手にする
2. なんとかする
3. (そういう状態に)~なる
みなさんは既に「手にする」というイメージには慣れているかと思いますので、ここでは「なんとかする」と「(そういう状態に)~なる」に焦点を当てて、イメージと使い方を簡潔に説明します。
“Get”の2つ目のイメージ 「こいつをなんとかする」
このイメージを持っている日本人はほとんどいないと思います。学生時代に「使役動詞」として「~させる」「~してもらう」という意味で”have”や”make”と共に”get”の使用も学びましたが、実際の場面で”get”を使えている人は少ないでしょう。
この理由は明確です。”get”を使用する具体的なシーンをイメージできていないからです。ここで”get”の具体的なイメージをしっかりと掴みましょう。
“get”のイメージは「こいつをなんとかする」です。重要なのは、この行為が自分自身によるものであっても他人によるものであっても良いという点です。単に「~してもらう」と覚えているだけでは、この表現をフルに活用することはできません。
それでは具体的な例文で見ていきましょう。
「バグを直す必要があります。」という英文を作る時、みなさんが思い浮かべるのは、下記のような表現かもしれません。
“I need to fix the bug.”
しかし、”get”を使うと次のように表現できます。
“I need to get the bug fixed.“
この文はどちらも「バグを修正する必要がある」という意味ですが、”I need to get the bug fixed.“を使った場合、バグを修正するのが自分自身でなくても良いというニュアンスが含まれます。これにより、バグを修正する責任が自分に限定されず、他の人にも任せることが可能であることを示しています。
さらに、”get”の使用は、「fix」という動詞を直ちに思いつかなくても会話を続けることを可能にします。
“get”を用いて表す場合、「”get”+過去分詞」という形で使用します。例えば、「この製品を・・・」に続く例として下記のように表すことができます。
出荷する → get this product shipped
改良する → get this product improved
注文する → get this product ordered
“get”は「~をしてもらう」と覚えている方が多いですが、「こいつをなんとかする」というイメージを持つことことで、「”get” + 過去分詞」という表現が自然と使えるようになります。
“Get”の3つ目のイメージ 「(そういう状態に)~になる」
そして、“get”の三つ目のイメージは「(そういう状態に)〜になる」としています。この用法では、”get”の後に形容詞や過去分詞を用いることで状態の変化を表現します。具体的な使用例を以下に紹介します。
Get + 形容詞(~になる)
“Get” に続く形容詞は、状態の変化を示します。Be動詞ではその状態がすでに存在していることを示すのに対し、”get” はその状態に変化していく過程を強調します。これにより、変化が進んでいることを表現できるため、動的なシーンでよく使われます。
The system’s performance gets better after the upgrade.
システムのパフォーマンスはアップグレード後に向上します。(向上した状態になる)
He got tired after the long meeting.
彼は長い会議の後で疲れました。(疲れた状態になった)
I got nervous before the presentation.
プレゼンテーションの前に緊張しました。(緊張した状態になった)
こちらの表現は、”is”や”am”などの「be動詞」の代わりに”get”を使っています。頭の中に”get”は「~になる」というイメージを持っていれば、「疲れた状態になる」= I got tired ~ という文章を作ることができます。
Get + 過去分詞(~される/~されている)
“Get” に続く過去分詞でも、「(動詞の状態に)~なる」という表現になります。”Have been” など他の受動形と比べて、”get” はよりカジュアルまたは口語的なニュアンスを持ち、より動的な状況や急な変化を伝える際に使用されます。
The project got approved quickly.
プロジェクトはすぐに承認されました。(承認された状態になった)
Our document got revised multiple times.
私たちのドキュメントは何度も修正されました。(修正された状態になった)
His proposal got accepted last week.
彼の提案は先週受け入れられました。(受け入れられた状態になった)
こちらの表現は、”is”や”am”などの「be動詞」の代わりに”get”を使っています。頭の中に”get”は「~になる」というイメージを持っていれば、「疲れた状態になる」= I got tired ~ という文章を作ることができます。
最低限知っておいてほしい・間違えやすい英語表現
ここまでの章では、特に知っておいてほしい「動詞のイメージ」についてのポイントを紹介しました。この章では、さらに私が特に参考になった内容や、業務中に疑問に感じていたことが解決したトピックを取り上げます。
「すぐに行きます!」は、I’m coming?それとも I’m going?
みなさんは会議室から電話を受けて、「打合せ始まるからすぐにきて!」と言われました。その場合「すぐに行きます!」と英語で言えますか?
意味から考えてしまうと”I’m going soon.”と作ってしまいますが、正しくは”I’m coming soon.”です。ではなぜそうなるのでしょうか?このイメージをもつをもつことが大事です。
“come“は「現れる(appear)」
“go“は「消える(disappear)」
“I’m coming soon.“は自分が相手のいる場所に向かっていることを示しますが、”I’m going soon.“と言った場合、どこか違う場所に言ってしまうということを意味します。
“come”は「現れる」、”go”は「消える」というイメージは素晴らしい言語化です。これさえイメージできていれば、「すぐ行きます」=”I’m coming soon”と言えますね。
相談するはconsultではなく talk or discuss
こちらの表現は私の会社でも勘違いして使っている人が多い表現の1つです。
“相談する”という行為を英語で表現する際、多くの人が”consult”を選びがちです。しかし、“consult”は特定の専門性を要する相談、例えば法律や医療の分野で使われることが多いです。一方、エンジニアリングやビジネスの文脈でより一般的な相談は、”talk”や”discuss”という動詞が適切です。
“I will talk to the engineer about this issue and get back to you.“
この問題についてエンジニアと話してから返答します。
“We need to discuss the specifications with the engineering team.“
技術チームと仕様について話し合う必要があります。
“consult”を使う場合には、「法律に関して弁護士に相談する」や「医者に相談する」など特に専門性が高い場合に使われます。
ここで学んだイメージを定着させるために実践でアウトプットしていこう
この書籍を通じて取り入れた英語のイメージを実践で使いこなすことで、より自分のものにすることができます。業務中に積極的に使用することが効率的ですが、業務で十分な英語を使用する機会がなかったり、練習することに抵抗がある場合は、オンライン英会話の利用をお勧めします。
オンライン英会話は、低価格で自分に合った講師からマンツーマンレッスンを受けることができ、アウトプットを通じて英語表現を定着させる絶好の機会を提供します。
・ 低コスト
月額5,000円代で週2回のマンツーマンレッスンが可能。初回は特に割引率が高く、半額以下で受講できる場合もあります。
・ 1レッスンが25分
ほとんどのレッスンは25分間設定されており、忙しい方でも隙間時間を活用して受講可能です。
・ スマホで24時間いつでも受講可能
スマートフォンがあれば、24時間どこからでもレッスンを受講できます。
・ 講師を選ぶことができる
プロフィールを通じて自分の好みに合った講師を選ぶことができます。
・ 教材が豊富に用意されている
日常的に使われるネイティブの英語表現からTOEICやニュース記事まで、多岐にわたる教材が用意されており、自由に選択できます。
個人的なおすすめは私も受講しているDMM英会話です。全てにおいてバランスのとれた人気オンライン英会話スクールです。
まとめ:ITエンジニアのための英語動詞活用法とオンライン英会話の活用
この記事では、特に英語初心者のITエンジニアに向けて、日常業務で役立つ英語表現を紹介しました。「ITエンジニアが覚えておきたい英語動詞30」という書籍から抜粋し、特に重要な動詞をピックアップしそれらの動詞がもつ「イメージ」をお伝えしました。これらの動詞は、中学生で習う簡単なものですが、業務上のコミュニケーションをスムーズに行うためにとても役立ちます。興味をもった方はぜひ本書を読んでみてください。
これらの動詞は、Microsoftなどの海外IT現場で実際に頻繁に使用されています。英語が苦手な方も、これらの基本的な動詞をマスターすることで、大きな自信となります。
さらに、英語学習を加速させるためにオンライン英会話の利用をお勧めします。特に、忙しいエンジニアにとって、オンライン英会話は多くのメリットがあります。私の経験からも、DMM英会話は特におすすめです。初心者から上級者まで、それぞれのレベルに合わせたレッスンを提供しており、自分のペースで着実に英語力を伸ばすことができます。
英語は、単に言葉を学ぶ以上の価値があります。それは新たな文化に触れ、世界中の人々とコミュニケーションを取るための鍵です。今回学んだ英語動詞を活用し、日々のコミュニケーションに自信を持って取り組みましょう。