学生時代の英語の得意・不得意に関わらず、実際に面と向かって英語で会話するのが苦手だなという方も多いと思います。私達は日常英会話を学ぶ機会が他の先進国に比べて極端に少ないため、大学院を修了したような優秀なエンジニアでも英語での会話に苦手意識を持っている人は非常に多いです。
この記事では、”自分の英語が伝わらない”、と悩んでいる人に向けて、根本的な原因と解決策を提案します。
この記事でお伝えしたいポイントは、「自信をもって大きな声で伝える」、「シンプルなフレーズで自己紹介を準備する」ことで、英語の伝わり方が大きく変わるということです。
「そんなことくらいわかっているよ」と思う人もいると思いますが、本当にできていますか?エンジニアとして約20年、一部上場企業で働き、これまでに10回以上の欧米への海外出張や国際学会での発表経験もある私の経験をもとに、それぞれの理由と効果について紹介していきます。
自分の英語を伝えたい!という思いのある方、ぜひ参考にしてください。
目次
日本人は英語でのコミュニケーションが苦手?
IIBCが2020年に英語学習をしているビシネスパーソン500人を対象にした調査では、
自分の英語の発音に自信がないと回答した人は55.6%、
英語の発音に自信がなく「英語で話したくない」と思ったことがある人は64.4%、
になっています。
この調査は英語学習をしている方が対象になっており、対象者の約4割が週3-4日以上英語を話す機会がある方です。そのため英語を使う頻度が少ない方向けの調査であれば、英語では発音に自信が無い方の割合はさらに多くなることでしょう。
実際に英語のスピーキングについては自信を持っていない人が多いです。
私達は学生時代、読み書き重視の勉強をしてきたため、諸外国と比べて大きな差ができてしまっているのが実情です。
2022年の世界最大英語能力指数ランキングでも日本は80位となっており、アジアの中でも14位という散々な結果となっています。
(引用元 EF EPI)
このような状況下にあり、日本人のエンジニア中ではまだまだ英語でのコミュニケーションが全く取れないという人がとても多いです。
「みんな苦手だから大丈夫」、と思っていると世界からどんどん取り残されていきます。
世界基準での危機意識を持って、自ら積極的に学んで、コミュニケーションをとっていきましょう。
苦手意識を持っている人の特徴3選
私の経験も踏まえて、英語での会話に苦手意識を持っている人の特徴を紹介していきます。
今回は、ボキャブラリーが少なかったり、英作文能力がないといった英語自体の能力以外の点に注目しました。誰にでもすぐ実践できる内容になっていますので参考にしてください。
1.声が小さい
英語が伝わらない原因の一番はこれです。
日本語も同じですが、当然、声が小さいと聞き取れません。”あたりまえじゃん” と思うかもしれませんが、みなさん意識してできていますか?
日本の文化的背景は、声が小さいことと関係が深いと考えられています。
例えば、日本の伝統的な礼儀作法では、控えめで謙虚な態度が好まれることから、大声で話すことがマナー違反とされています。
(引用元:中川, H. (2018). 日本の礼儀作法とコミュニケーションスタイル. 社会学研究, 8(1), 32-45.)
このような背景もあり、さらには母国語でない言語ということで、英語を話す時には、さらに声は小さくなります。
考えている以上に自分の声は小さいのです。
自分の声が小さいために、相手が聞き取れず、
“Sorry?”
と言われているのにも関わらず、
自分の英語がだめなんだー・・・
と勘違いして何も言えなくなってしまう。そして、こちらに向かって
助けてください。。。
という目をしてくる若手エンジニアの方をとても多く見ています。
まずは自信をもって大きな声で言ってみましょう!
I am Taro, a software engineer.
ソフトウェアエンジニアの太郎と申します。
I am also involved in this project to make this application software.
このアプリケーションソフトを作るため、私もこのプロジェクトに参加しています。
大きな声、これが一番のアドバイスです。
2.緊張しすぎている
1.の声が小さいにも関係しますが、2番目に英語が伝わらない理由は、緊張しすぎていることです。
日本にいると普段海外の方と話すことが少ないです。海外のお客さんが打ち合わせに来る、もしくはWEB会議を行う、というのは私たちとって大きなイベントですよね。それがワクワク感ではなく、過度の緊張や恐怖になっていることも多いです。
日本の文化では、他人に迷惑をかけないことや、完璧を求める傾向があります。
(引用元:Hofstede, G. (2001). Culture’s Consequences: Comparing Values, Behaviors, Institutions, and Organizations Across Nations. Thousand Oaks, CA: Sage Publications.)
そのため、英語を話す際にも、文法や発音のミスを恐れて緊張するのです。
”間違えたらどうしよう”
ではなく、
”分からなかったら何度でも言おう!”
くらいの気持ちで望みましょう。
相手の言っている英語が分からなくても、聞き返せばOKです。Sorryだけでも十分に伝わりますよ。
Sorry, Could you say that again please?
すみません、もう一度言ってもらえますか?
3.発音が悪い
発音が悪くて伝わらないのは、中級者向けの課題です。
英語の場合、世界中で多くの人が使用している言語のため、話す人や国によって独特なアクセントがあります。アメリカのような様々な人種の人々が一緒に暮らしている国では、自国内でもネイティブではないアクセントを聞く機会があります。
私達は英語ネイティブではないので、臆する必要は全くありません。
ある研究によると、聞き手が非ネイティブスピーカーの発音に慣れることで、コミュニケーションがスムーズに進むことが分かったそうです。
聞き手に日本人の英語アクセントに慣れてもらう!、それくらいの心持ちです。
(引用元:Derwing, T. M., & Munro, M. J. (2005). Second language accent and pronunciation teaching: A research-based approach to content and instruction. TESOL Quarterly, 39(3), 379-397.)
ちなみに、シンガポールで話される英語は「シングリッシュ」と呼ばれ、強い独特のアクセントがあります。彼らは堂々とシングリッシュのアクセントで伝えてきますよ(笑)
初心者のうちは特にアクセントを気にしすぎない方が上達への近道です。
苦手を克服する方法
苦手意識を持っている人の特徴で紹介したように、英語を伝えるためには、自信を持って、大きな声で話すことが大事です。
”それができないから苦労するんだよ”と言われそうなので、ここからは具体的な対策方法を紹介していきます。
オンライン英会話で経験を積む
英語を話す練習を積むことで、自然とコミュニケーション能力が向上し、緊張感が軽減されるでしょう。外国人と交流するイベントや、オンラインでの言語交換など、積極的に英語を話す機会を増やしましょう。
その機会としてオンライン英会話は絶好の場です。
オンライン英会話では、毎日25分程度という短い時間ですが、マンツーマンで英語で伝える練習ができます。1日25分という時間が短いと思うかもしれませんが、その継続の難しさや効果も知っていると思います。インプットに時間をかけすぎる私達が、毎日25分アウトプットすることで確実に自信に繋がります。
オンライン英会話スクールの無料体験を試してみることがおすすめです。もし良いスクールを挙げるのであれば、私はまず最初に、教材も豊富で世界中の講師の方のレッスンが受けられるDMM英会話をおすすめします。私自身継続しているオンライン英会話スクールです。
また、ビジネスに特化した英会話スクールで学びたい、ビジネス経験のある講師の方から学びたいという方には、Bizmatesをおすすめします。
Bizmatesの講師は全員がビジネス経験者という特徴をもっています。講師の採用率が1%と以下と、厳選したからこそ高い品質のレッスンが受けられると人気のオンライン英会話スクールです。
どちらのオンライン英会話スクールも、当日すぐに無料体験レッスンがうけられます。まずは体験レッスンを受講してみるとよいと思います。
ポイント
レッスン教材として、自己紹介の教材は必ず用意されています。最初は特にそちらも利用しましょう。自己紹介が堂々とできるようになると自信がついてきます。
例えば、DMM英会話とBizmatesの自己紹介教材の一部を紹介します。教材では、自己紹介に使えるフレーズも学習することができます。
また、受け身のレッスンだけでなく、積極的に自分から発言する場もつくりましょう。
どちらのオンライン英会話スクールでも、自分の作った自己紹介の英文を添削してもらうこともできます。
自己紹介も何度も繰り返し伝えることにより自信がつき、大きな声で伝えられるようになってきます。練習あるのみです。
英語学習アプリで話す練習をする
オンライン英会話でリアルな講師の方に話をすることにハードルがある人は、英語学習アプリで話す練習でも十分効果があります。
そもそも私達は日常で英語を発音することがほとんどないので、毎日発音するだけでもそれが習慣化し、自信に繋がります。
また近年の英語学習アプリは音声認識機能も向上しているため、発音の練習にもなります。
ここでは、おすすめの英語学習アプリとして2つ挙げます。
スタサプEnglish
こちらはCMなどで有名な英語学習アプリです。
「日常英会話コース」や「TOEICコース」もありますが、エンジニアのみなさんが実用的な英語を学ぶためには「ビジネス英語コース」をおすすめします。
ビジネスで使うフレーズの インプット と アウトプット のトレーニングを繰り返し、リスニングとスピーキングの基礎を固めることができます。
ビジネス英語 スタディサプリEnglishこのアプリでは、忙しい皆さんのことを考えて、教材も興味深いストーリー仕立てになっていたり、1回の学習時間が最短3分間という工夫がなされています。
Duolingo
こちらはビジネスからは少し離れますが、学習効果が研究により実証されている人気の教育英語アプリです。無料でも全ての機能が学習できます。
有料版では広告がオフになったり、実力テスト機能などが受けられます。
ファミリープランもあり、私自身1年のファミリープランを契約して子供と一緒にやっています。いろいろなやる気を出させてくれる仕掛けがあるので継続もし易いです。
このアプリ内でも英語を発音する機会があるので、毎日少しずつでも自信はついてきます。
遊び感覚の延長でできますし、無料でもできるので、英語学習を始めるハードルにはとても低いと思います。初心者におすすめです。
まとめ 根拠のない自信でOK!大きな声で伝えよう
この記事では、初心者エンジニア向けに英語が根本的に伝わらない理由とその解決策について紹介してきました。
私自身の経験でも、発音が悪くて伝わらないということよりも、声が小さくて相手に聞き取られないという場面を数多く見てきました。
私の職場では、海外駐在経験がある方でも、正直発音は日本語アクセントが前面に出ている人たちが多いです。ただそれでも十分に伝わりますし、コミュニケーションが取れています。
少し精神論になりますが、英語が伝わらない人の話し方は、「伝えたい」と思って話しているのではなく、「伝わるといいな」という感覚で話をしています。
これは論理的でないように聞こえると思いますが、紛れもない事実です。
日本語でも英語でも、相手に伝えたいと思って話せば自然と声は大きめになりますし、身振り手振りも出てきます。
仮に、分からないと言われても、もう一度言ったり、何度でも言い直したり、質問したり、なんとか伝えようとするでしょう。
その「伝えたい」という気持ちが、
何よりも大事なのです。
繰り返しになりますが、ネイティブでない私達日本人にとっては、ネイティブのように話をする訓練よりも、伝えたい、分かってほしい、という気持ちで話をすることが何よりも大事です。
分かっていてもできないという人も多いので、そのような人は、英語は使う、話す時間を増やしましょう。
簡単な英文でもなんでも大丈夫です。毎日少しじつでも英語を口にすることで確実に自信がついてきます。
みなさんが少しでも自信をもって海外の方とコミュニケーションがとれるようになることを切に祈っています。一緒に頑張っていきましょう。
みなさんお忙しいところ最後までご覧いただきありがとうございました。