突然ですが、皆さんは海外出張の経験はありますか?
多くの会社では、マネジメント層だけでなく、一般社員も海外出張に行く機会が増えています。しかし、気が付けば同じ人たちが頻繁に出張していると思いませんか?私が勤めている会社でも、コロナ禍にもかかわらず年に3回以上出張する人がいます。一方で、15年以上勤めていても一度も海外出張の経験がない人も大勢いるのです。この違いは何によるものでしょうか?
業務内容の違いも影響していますが、頻繁に海外出張に行く(行く機会を得る)人たちには共通する特徴があります。もし将来海外出張に行くことを希望しているなら、これらの特徴を理解し、自分自身に取り入れることが大切です。
これらは一時的なテクニックではなく、長い職業人生において重要な要素です。それでは、これらの特徴について一つずつ見ていきましょう。
目次
国内出張と海外出張の違い:コストの大きな差
国内出張と海外出張の違いは何でしょうか?
出張する個人のモチベーションにはさまざまな違いがあるでしょうが、ここでは会社の視点から考えてみましょう。最も大きな違いは「コスト」にあります。海外出張は少なくとも1週間程度はかかることが多く、フライト費用だけでなく、宿泊費や日当などの費用も大きくなります。
また、海外出張中は国内での設計やその他の業務が進まないため、この点も重要な違いです。それでは、海外出張には具体的にどれほどの費用がかかるのか?2022年にアメリカへ1週間の出張をした際の費用内訳を例に挙げてみましょう。
No. | 項目 | 費用 | 備考 |
1 | フライト | 45万円 | |
2 | ホテル代 | 25万円 | 約4万円×6日間 |
3 | 交通費 | 4万円 | 新幹線、Uber等 |
4 | その他 | 6万円 | 日当などその他 |
合計 | 80万円 |
このように、海外出張には一回で約80万円の費用がかかることがあります。したがって、出張による付加価値を提供する必要があり、会社も出張者を慎重に選びます。
海外出張にかかる金額を意識することが大切です。この額を投じてでも出張させる価値があるかどうか、自分自身が意識することが重要です。
専門知識を超えて身につけるべき、海外出張に不可欠な5つの能力
海外出張に積極的に参加したい方々へ向けて、海外出張に選ばれる人に共通する特徴を一つずつ詳しく紹介していきましょう。海外出張の機会がない方でも、これらのスキルは日々の業務においても非常に有用です。ぜひ、以下の点に注目してみてください。
① 最低限の英語力を持っていること:TOEIC 550点レベル
初めての海外出張では、相手に自分の意見を伝えるための最低限の英語力が求められます。これは、打ち合わせや納入時に特に重要です。
TOEIC L&Rでいうと、最低でも550点(Listening 300点含む)が必要です。このスコアがないと、事前の打ち合わせ、メールのやり取り、資料作成など、海外の顧客とのコミュニケーションが困難になります。
まずはこのレベルの英語力を目指しましょう。英会話力を高めておけば、出張の機会が訪れた際に対応できる可能性が高まります。
英語力を身につけるには、日常業務での英語の使用に加え、オンライン英会話や英語学習アプリの利用が効果的です。
- ・ 海外出張の予定がなくても、英会話を継続して学ぶこと。
- ・ テキストだけでなく、英会話スクールで実際に英語を話し、リスニングやスピーキングの能力を鍛えること。
コストパフォーマンスに優れたオンライン英会話がおすすめです。どのスクールを選ぶか迷っている方には、教材が豊富で24時間レッスンが受けられるDMM英会話を試してみることを推奨します。
海外出張に選ばれる人は、「顧客との事前打ち合わせで最低限のコミュニケーションが取れるだけの英語力を持っている」ということが必須条件です。
② 資料作成能力:ロジカルな思考が鍵
私の周りで海外出張に頻繁に行く人は、例外なく資料作成能力に長けています。
海外出張では、お客様や海外子会社に対し、開発状況や不具合の報告など、様々な情報を伝える必要があります。このため、資料を簡潔かつ適切にまとめる能力が重要となります。
この能力は学生時代から養われることが多いですが、資料作成を繰り返すことで向上します。資料作成が苦手な方も、練習を重ねることで改善できます。
資料を作る際のポイントは以下の通りです。
● 起承転結を意識した資料を作成する。
1.概要・目的
2.前回の内容
3.今回の提案または質問
4.スケジュール
5.まとめ
● お客様とのやり取りは、常に資料を基にして進め、双方の理解を確認する。
資料を作成したら、資料作成の得意な人に添削を依頼しましょう。
特に海外取引では、自分の理解に誤りがないかを確認する意味でも、資料の重要性は非常に大きいです。
③ 自己主張ができること:周りに流されない
最近特に感じているのは、海外出張において自己主張の重要性です。
海外出張はコスト削減のため、通常最少人数で最短日程で行われます。この状況下で、自分たちの意見をしっかり伝え、結果を出すことが期待されます。
周囲の意見や雰囲気に流されず、自身の判断を信じて、自分が正しいと思うことを堂々と伝えることが重要です。これはお客様であっても、年上の同僚であっても同様です。「ダメなものはダメ」「必要なことは必要」とはっきりと意見を述べる自信が必要です。
必要と信じることを、周りに気を使わずに推進することが大切です。
これは ”それは当然そうでしょ” と思うかもしれませんが、現地に行くと、これが意外と難しいです。特に、海外の多くの顧客を目の前にすると、ついつい「とりあえずその場を乗り切ろう」、という受け身になってしまうのが常です。
④ 独立した調査能力と他者を巻き込む力
仕事ができるビジネスマンは、結果を出すために「独立した調査能力」と「他者を巻き込む力」を備えています。これは日常業務においても、特に海外出張での対応においても重要です。
独立した調査能力
例えば、海外出張で電車を利用する必要がある場合、自分で調査する能力が重要です。先進国では、Googleマップなどのアプリを利用して電車の時刻やプラットフォームを調べることが可能です。また、レストランでメニューが分からないときも、スマートフォンで簡単に情報を得ることができます。
このように分からないことがあればまず自分で調べる習慣が大切です。
他者を巻き込む力
当然ですが仕事は自分1人ではできません。
仕事は一人では成し遂げることができません。みなさんにはそれぞれ専門分野があり、限られた時間とキャパシティの中で業務を進める必要があります。そのため、他部署のキーパーソンに仕事を依頼したり、任せたりする能力が求められます。周りの人が「この人なら任せて安心」と信頼してくれるようになることが大切です。自分だけでなく、周囲の人を巻き込んで「なんとかする」姿勢が重要です。
「この人に任せれば大丈夫」と思われるかどうかが、日々の仕事の中で非常に重要です。日頃からの行動やコミュニケーションが、周りからの信頼を築く基盤になります。
⑤ 上司への的確な報告と承認の獲得
社会人としての基本である「報告・連絡・相談」は、特に重要です。定期的かつ重要なタイミングでの上司への報告は、業務進行において不可欠な要素です。
上司の立場から考えると、彼らは任されたプロジェクトや業務の現状や問題点を把握したいと考えています。しかし、忙しさのために、すべての進捗を個別に確認する時間は限られています。そのため、重要なポイントや問題が生じた際には、部下からの情報共有が非常に役立ちます。
・ 報告の目的を明確にする
報告の最初には、報告の目的や理由を明確に記述します。これにより、上司は適切な視点で報告内容を把握できます。目的が不明確な報告は、上司にとってストレスの原因となるため、注意が必要です。
・ 報告には自分の意見を含める
事実だけでなく、「私の考えでは…」「…のように進めたいと思います。誤りがあればご指摘ください」といった形で自己の意見や提案を含めることが重要です。これにより、上司は部下の考え方や計画を理解でき、承認が必要な場合は簡単に「OK」を出せます。
・ ネガティブな報告は早急に行う
良い報告はもちろんですが、特に問題やネガティブな内容は、早急に報告することが肝要です。
上司が「この人は重要なポイントや問題がある時に報告してくれる」と感じるようになることが大切です。自分だけで重要な判断を下し、共有せずに進めると、上司は現状が把握できず不安になる可能性があります。
最後に、 海外出張させてもらえる人は出世できる能力をもっている
最後に、海外出張のチャンスを得られる人は出世につながる能力を持っていますこの記事で、海外出張に参加する機会を得られるビジネスマンに共通する5つの特徴を紹介しました。
① 最低限の英語力(TOEIC 550点レベル)
② 資料作成のスキルと論理的思考力
③ 自己の意見をしっかり持ち、周囲に流されない姿勢
④ 自ら調査し、他者を巻き込む能力
⑤ 上司への効果的な報告と承認の獲得
これらのスキルは、全て重要ですが、まずは英語力の向上を意識することをお勧めします。専門知識はビジネスマンにとっての核となる強みですが、英語スキルがそれを支える重要なツールとなります。英語ができることで、技術力だけではない、貴重な社員としての地位を築くことができます。
海外出張の機会が訪れた際に、それをしっかりと捉えられるよう準備をしておきましょう。今回紹介した英語以外の能力は、日常業務を通じて徐々に磨かれますが、英語は自ら積極的に学習しなければ向上しません。そのため、できるだけ早く英語学習を始めることが重要です。
オンライン英会話はコストパフォーマンスも良く、時間も柔軟に選べるため、お勧めです。多くのオンライン英会話スクールがありますので、自分に合うものを見つけてください。
どこを選ぶべきか迷っている場合は、DMM英会話がお勧めです。教材が豊富で、累計会員数100万人を超える人気のスクールです。
この記事で紹介した5つの特徴は、海外出張に限らず、全てのビジネスマンに求められるスキルです。これらを身につけることで、結果が出るようになり、キャリアアップにつながります。ぜひ一つずつこれらのスキルを磨き、能力を向上させていきましょう。