海外出張の際、長いフライト時間をどのように過ごしますか?特に欧米への出張では、機内での滞在時間が12時間近くに及ぶことも珍しくありません。機内での食事や映画鑑賞は楽しいものですが、長時間の移動では十分な休息が欠かせません。特に、初めて国際線に乗る方や長時間フライトが苦手な方は、事前の準備が重要です。
この記事では、長いフライト時間を快適に、そして有意義に過ごすための5つの実用的なコツを紹介します。
目次
快適なフライトのために:非常口席(エマージェンシーシート)の選択
機内での座席選びは、長時間フライトの快適さを左右します。ビジネスクラス以上の座席は快適性が高く、早く降りてすぐに入国審査へ進むことが可能です。しかし、多くの人がエコノミークラスを利用しています。実際、エクスペディアの調査によると、海外出張時にエコノミークラスを利用する人は70%を超えています。
非常口席(エマージェンシーシート)を選ぶメリット
エコノミークラスで旅行する場合でも、非常口席(エマージェンシーシート)を選ぶことで快適性が格段に向上します。この座席は一般的にエコノミークラスの最前列に配置されており、次のような複数のメリットがあります。
・ 足を伸ばせる空間がある
・ トイレが近い
・ 早く降りることができる
・ CAさんとコミュニケーションが取りやすい
足を伸ばせる空間がある
非常口席の前は緊急脱出口であり、スペースが広いため、足を伸ばすことが可能です。長時間のフライトでは、このスペースが特に重要になります。特に身長の高い方にとっては、大きな快適さとなります。
さらに席の前のスペースでは屈伸など、自分の好きなタイミングでリフレッシュできるという大きなメリットがあります。
トイレが近い
トイレが近く、利用しやすいです。これは、長時間のフライトでトイレの利用タイミングが重要になる際に役立ちます。
長時間フライトではトイレに行くタイミングや回数は1つポイントになりますので、気軽に立ち上がれるのは大きなメリットです。
早く降りられる
フライトが終わると、ファーストクラスやビジネスクラスに続いてエコノミークラスの乗客が降ります。非常口席に座ることで、エコノミークラスの中でも早く降りて、入国審査の列に早く並ぶことができます。
国際線の飛行機の乗員数は約200名ほどになり、エコノミークラスだけでも130名ほどの乗客がいます。その中でも早く入国審査に並ぶことができれば時間が短縮できることはご理解いただけると思います。
CAさんとコミュニケーションが取りやすい
非常口席の近くには客室乗務員(CA)が離陸・着陸時に使用するシートがあります。これにより、CAとのコミュニケーションが容易になり、フライト中の会話を楽しむ機会が増えます。
CAさん側も乗客の方とのコミュニケーションを取ることを会社側から求められていることもあり、積極的に話しかけてもくれます。非日常の会話を楽しめるのは貴重な機会ですね。
非常口座席(エマージェンシーシート)の予約方法
非常口座席のメリットをお伝えしましたが、次はその席をどのように予約するかについてご説明します。
予約後の座席の空き状況チェック
一度座席を予約しても、他の乗客が席を移動したり、上級クラスへのアップグレードを行うことがあります。そのため、頻繁に空席状況をチェックすることが大切です。私自身も、朝・昼・晩の3回、毎日座席の空き状況を確認しています。
この努力のおかげで、これまでに半分以上の確率で非常口座席を予約できています。
非常口座席以外でも、良い座席を選ぶためにはSeatGuruというサイトが便利です。このサイトでは「良い席(Good seat)」や「評価が混在している(Mixed Review)」などのレビューが付いており、座席選びに役立ちます。まだ利用したことがない方は、ぜひ一度訪れてみてください。
下記のように「良い席(Good seat)」や「良いレビューと悪いレビューがある(Mixed Review)」という評価がついています。ご覧になったことがない方は一度見てみると面白いと思います。
当日のチェックインでの座席確認
事前の予約ができなかった場合でも、当日のチェックイン時に空席状況を確認することが可能です。もし非常口座席が埋まっていた場合は、横が空いている席や通路側、前方の席をお願いするのも一つの手です。
希望する座席は、笑顔で伝えることが重要です。親しみやすい態度は、良い席へのチケットになることもあります。
機内での服装の選び方
長時間のフライトでは、機内での服装が快適さに大きく影響します。特に伸びにくいジーンズのようなズボンは、快適性を大きく損ねることがあります。
適切なズボンの選択
快適なフライトのためには、ストレッチ性のあるズボンやスウェットなど、リラックスできるゆったりとした服装を選ぶことが重要です。これらの服は体にフィットし、長時間の座り姿勢でも快適さを保つことができます。
靴選びとスリッパの利用
革靴は蒸れやすく、長時間履いていると疲れるため、スリッポンやスニーカーのような履きやすい靴がおすすめです。さらに、機内用のスリッパを持ち込むことで、よりリラックスした状態で過ごすことができます。
上着の準備
機内は就寝中に寒くなることが多いため、上着を手元に置いておくと良いでしょう。これにより、必要に応じて温度調節が可能になります。
実際に、長期フライトではパジャマのようなリラックスした服装をする旅慣れた方も多いです。しかし、あまり心配する必要はありません。目的地に到着した際には、スーツケースを受け取った後のトイレで着替える方も多いので、その点も考慮すると良いでしょう。
空の旅をもっと楽しむ!スマホでの動画と音響準備ガイド
長時間のフライト中は、通常の生活ではなかなか見る時間が取れない動画や映画を楽しむ絶好の機会です。
動画のダウンロード
Amazon PrimeやYouTubeなどのサービスを利用して、事前にお気に入りの動画や映画をスマホにダウンロードしておくことをおすすめします。YouTubeのプレミアム会員になると、30日限定ですが、オフラインでも動画の視聴が可能です。この機会を利用して、自分だけの特別なエンターテイメント時間を作り出しましょう。
私もYoutubeの動画をオフライン保存しています。また私は読書もしたいのでKindle white paperも持ち込みます。
スマホの充電ケーブルを手元に置いておく
最近の国際便では、エコノミークラスの座席にもUSBポートが設置されていることが多いです。ただし、まだ全ての機体に電源が備わっているわけではありません。長時間動画を視聴する際には充電が不可欠ですので、充電ケーブルを手元に置いておくことを忘れないようにしましょう。
私が2021年と2022年に利用したANAやUAの米国便では、USBポートを利用できました。
ノイズキャンセリングイヤホン
スマホや機内エンターテイメントシステムの利用には、イヤホンが必要です。機内では標準のイヤホンも配布されますが、ノイズキャンセリング機能付きイヤホンの利用をおすすめします。これらは機内の背景ノイズ、特にエンジンの「ゴーー」という音を効果的に低減します。動画視聴だけでなく、読書時にもこの機能を活用すると、より快適に過ごせます。
私はBoseのノイズキャンセリングイヤホンを使用しています。少し高価ですがノイズキャンセリング機能が優秀で5年くらい使っています。
両耳のイヤホンが別々になっているタイプは、機内で落として見つからない可能性があるので気を付けてください!
枕をもう1つもらう、ピローを持ち込む
長時間エコノミークラスの狭い座席に座る際、快適さを保つための工夫が必要です。特に腰やお尻が痛くなりやすいため、機内で提供される枕を腰当てや座布団として使用することをおすすめします。私自身も、この方法を毎回実践しており、長時間のフライトでも快適に過ごせています。
また、睡眠時の快適さを高めるために、個人用のピローを持ち込むことも有効です。機内で配られる枕は薄く、頭を十分にサポートできないことがあります。ピローは持ち運びに少し不便かもしれませんが、快適な睡眠のためにはその価値があります。
私も搭乗するとすぐにブランケットと枕をもう1つもらっています。
機内での英語コミュニケーションの準備
海外の航空会社を利用する際、機内での英語コミュニケーションが重要になることがあります。日系の航空会社では日本語が通じますが、UNITEDやLufthansaなどの国際航空会社では、英語でのやり取りが基本です。事前に英語での基本的なコミュニケーションを学んでおくことをおすすめします。
機内で使える英語表現・英単語
機内でよく使う単語・熟語
以下に、機内で役立つ基本的な英単語と熟語を10個紹介します。
No. | 英単語・熟語 | 意味 |
1 | a bottle of water | ペットボトルの水 |
2 | blanket | ブランケット |
3 | aisle seat (アィル シィート) | 通路側の席 |
4 | window seat | 窓際の席 |
5 | on time | 定刻 |
6 | flight attendant | 客室乗務員 |
7 | pillow | 枕 |
8 | seatbelt | シートベルト |
9 | terminal | ターミナル |
10 | turbulence (タービュランス) | 乱気流 |
機内でよく使うフレーズ
ここでは私の経験も踏まえて機内でよく使う英語フレーズを紹介します。ぜひ出発前に練習してみてください。
No. | 英文 | 意味 |
1 | Excuse me, someone is sitting in my seat. | (客室乗務員に対して) すみません、私の席に別の方が座っているのですが。 |
2 | Please fasten your seat belt Please take your seat and fasten your seat belt. Would you please fasten your seat bet? (*fasten :締める) | シートベルトをお締めください。 座席に席に着いて、シートベルトをお締めください。 シートベルトをお締めいただけますか? |
3 | May I have another blanket? (*May I have ~:~をいただけますか。) | 毛布をもう一枚いただけますか。 |
4 | What kind of drinks do you have? | どんな飲み物がありますか? |
5 | Make sure all your luggage is stowed under the seat in front of you or in the compartment on top of you. (*stow :しまい込む) | 手荷物は前の座席の下あるいは座席の上の物入れに収納してください。 |
6 | Can you take my tray away, please? (*take ~ away:~を取り上げる、連れ去る。) | トレイを下げてもらえますか。 |
7 | May I recline my seat? (*recline :[座席などが]後ろに倒れる) | シートを倒してもよいですか? |
8 | Please put(place) your seat in the upright position (*upright :直立) | 座席を元の位置に戻してください。 |
9 | Please say that again? Can you speak more slowly, please? | もう一度言ってください。 もう少しゆっくり話してもらえますか。 |
10 | Is there anyone who can speak Japanese? | どなたか日本語を話せる方はいらっしゃいますか? |
オンライン英会話やアプリでも機内で使う英語は学べる
オンライン英会話やアプリを利用して、機内での英語を学ぶこともできます。DMM英会話のようなプラットフォームでは、機内で使えるフレーズを学ぶ教材が提供されています。無料体験レッスンを受けてみると良いでしょう。
最後に、機内も出張の一部。快適に過ごせるように準備しましょう。
海外出張初心者の皆さんにとって、長距離フライトは挑戦かもしれませんが、正しい準備と知識があれば、この経験を快適に、さらには楽しむことも可能です。この記事で紹介した5つのコツを思い出して、次の海外出張をより快適なものにしましょう。
座席の選択:
長時間座るため、座席選びは重要です。可能であれば、非常口近くの座席を選んで、足を伸ばすスペースを確保しましょう。
服装と靴:
快適な服装と履きやすい靴は、長時間のフライトでのリラックスに欠かせません。ストレッチ性のある服やスリッポンなどがおすすめです。
機内エンターテイメント:
お気に入りの映画や動画をスマホにダウンロードしておき、フライト中に楽しみましょう。また、充電ケーブルとノイズキャンセリングイヤホンも忘れずに。
快適な睡眠のために:
機内で提供される枕を追加で利用したり、個人のピローを持ち込むことで、睡眠の質を向上させましょう。
英語コミュニケーション:
特に国際便では、基本的な英語のコミュニケーション能力が役立ちます。必要なフレーズは事前に練習しておくと安心です。
最終的に、これらのコツは長距離フライトを単なる移動時間ではなく、有意義な時間に変えるための手助けとなります。次の海外出張では、これらのポイントを活用して、快適な旅をお楽しみください。