国内出張と海外出張はもらえる手当が違うのでしょうか?
海外出張に行かれたことがない方は、「支度金はあるの?」、「残業代はつくの?」、「日当は?」と色々な疑問がでてくると思います。
結論から言うと、海外出張はお金の面でもプラスになります。
それはなぜなのか?具体的なデータ、私の体験談を含めて紹介していきます。この記事が、海外出張に行けるように日々頑張っているみなさんのモチベーションアップにつながれば幸いです。
目次
海外出張支度金がもらえる!?
国内出張とは違うところとしては、「海外出張支度金」です。国内企業でも、海外出張支度金を支給してもらえる企業が圧倒的に多いです。
産労総合研究所による3,000社を対象とした2011年のアンケート結果を紹介します。
アンケート対象企業の73.3%が海外出張支度金を支給すると回答しており、海外出張における初航時支度料の支給状況の平均は役職別に下記のようになっていました。
役職 | 海外出張の支度料(初航時) |
役員 | 85,732 円 |
課長クラス | 61,265 円 |
一般社員 | 54,080 円 |
この支度金の用途としては、スーツケースや海外用変換プラグなど出張のための出費に充てられます。
企業によっては、初回渡航時だけでなく、毎回支度金を支給する企業もあります。その場合には毎回数万円と金額は下がりますが、何回も海外出張に行く人にとってはその方がお得になります。
私が働いている会社では、毎回海外出張手当として2万円が支給されます。
私も出張のためにスーツケースを2つ購入したので、その手当はとても助かりました。
日当は5,000円くらい。国内出張と変わらない企業も多いのでは?
それでは、支度金とは別に支給される「日当」はいくらくらいが相場なのでしょうか?
2019年度に産労総合研究所が3,000社に実施したアンケート結果を紹介します。
まず、比較対象として、国内出張の平均日当について紹介します。国内出張の日当の平均は 2,000円代 となっています。
■国内出張日当
役職 | 日当の平均支給額(円建て企業) |
部長クラス | 2,666 円 |
一般社員 | 2,094 円 |
■海外出張日当
それでは海外出張日当についてのデータを紹介します。
下の表から、1日あたり5,000円程度ということが分かります。海外出張は国内出張の倍以上ですね。また、地域別でも日当は大きく違わないことも分かります。
上記から、北米地域に出張した場合の、部長クラスと一般社員の平均支給額を抜粋しました。
役職 | 日当の平均支給額(円建て企業) |
部長クラス | 5,593 円 |
一般社員 | 4,913 円 |
日当も役職によって支給金額を分けている企業が多いです。
海外出張は期間が長くなることも多いので、1日 600円の差でも 10日で6,000円になります。大きな金額ですね。
現地でのご飯代は代理店やお客様が出してくれることがほとんど
海外での食事代は日本に比べてとても高いです。むしろ日本が安すぎです。
私が2022年の年末にロサンゼルスに行った際、円安とインフレのダブルパンチを受け、KFC(ケンタッキーフライドチキン)のセットを食べただけで 約2,000円でした。
これが、お酒がでてくるようなバーやレストランであれば、1人10,000円以上は簡単に超えます。3人で行っても30,000円近くです。
出張の際の食事代は誰が出すのでしょうか?
基本的な考え方としては、食事代は出張の日当等の手当に含まれています。ただ実際は?というところについて私の経験からお伝えします。
お客様や取引先との食事は会社が負担してくれる!
まず、基本的には出張の際の食事代は出張経費とは認められません。そして、「経費」と認められなければ会社が負担してくれることはありません。
ただ、仕事に関する食事の代金であれば経費として認められるので、会社が支払ってくれます。
具体的には、お客様や取引先との食事であれば、常識的な範囲であれば、接待交際費として、自社や相手方の会社の経費で支払ってくれることがほとんどです。
ただ、取引先がいない場合にも、現地の代理店や現地法人との食事でも、同様の理由で、食事代を会社が出してくれることが多いです。
日本から、現地のお客様や代理店、工場の人たちのサポートをするために出張している場合、感謝の気持ちも込めて先方が支払ってくれる取引先が多いです。
個人的な経験でも、朝ごはん以外は全部お客様か現地法人が支払ってくれることがほとんどです。
同僚同士のご飯代は自分たちで支払います
但し、休日の同僚同士のご飯や、個人で食事する場合には、自分で食事代を支払うことになります。自分で支払うと言っても日当をもらっていますので、実際にはその中から支払っています。
因みに私は、ホテルに朝食がついていない場合や、価格に見合わない朝食しかホテルにない場合に備えて、日本からパンやカップ麺などを持参しています。重宝しますよ。
宿泊費は会社が支払ってくれます
海外出張時の宿泊費ももちろん会社が支払ってくれます。
一般的に3つのパターンがあります。
① 宿泊費の実費を会社が支払ってくれる
② 会社の提携ホテルに宿泊することで会社から自動的に支払われる
③ 会社から一律の金額を支給される
2019年の産労総合研究所のデータから宿泊費のデータを一部抜粋します。北米地域の場合の、部長クラスと一般社員の宿泊料の平均支給額です。
役職 | 日当の平均支給額(円建て企業) |
部長クラス | 16,385 円 |
一般社員 | 14,621 円 |
ただ、最近では世界的なインフレの影響で、特にアメリカの宿泊費は高額になっています。
為替にもよりますが、アメリカの都市部で大手ホテルグループに宿泊するのであれば、一泊25,000円以上は見込んでおくほうがよいと思います。
私の会社の場合には、自分でホテルを選んで支払いは会社のクレジットカードで行います。もちろん常識的な範囲の金額で宿泊できるホテルです。
海外出張のときの時間外労働は原則残業扱い。ただ日当に含まれている場合も。
海外出張の際には残業代は支給されるのでしょうか?
結論、出張先で原則時間外労働を行った場合にも、日本の労働基準法が適用されるため原則残業扱いになります。
ただ、残業代として別途支払われるケースだけではなく、「出張手当」に含まれているとされている場合もあります。
(中略)、出張手当に残業代が含まれるとされている場合には、実際の残業時間で計算した残業代が出張手当の額を超えるときに限りその差額を追加で支払う必要がありますが、超えない場合は残業代を支払う必要はありません。
海外出張の時には、ホテルに帰ってきてから日本からのメールの対応や、昼間の会議や作業のまとめを行います。
時間的には、お客様や現地の同僚とご飯を食べてからホテルに戻るので、9時過ぎから夜の12時くらいです。
海外出張中は ホテルで事務仕事
残業代の話とは少し話がそれますが、海外出張という限られた時間の中で効率よく業務を遂行するためには、夜ホテルに戻ってから事務作業を行うことは必要なことです。
その日のまとめや日本への報告、そして次の日の準備などしておく必要があるので、海外出張に行かれる方はそのようなことも踏まえて準備しましょう。
海外出張中は時差と睡眠不足で体力的には厳しいです。でもそれに勝る達成感がある、それが海外出張です。
出張手当は非課税あつかい
豆知識ですが、出張手当は非課税扱いになります。出張旅費に含まれる交通費や宿泊費、日当は給与として扱われません。
出張経費は給与明細にも記載されないため、出張に行かれている方は、給与明細に記載されている年収よりも多くの金額を会社からもらっていることになります。意外と気づいていない方も多い事実ですね。
海外出張によく行く人は同じ給料をもらっている同僚よりも実際には多くの収入を得ていることになります。
出張する国や期間などにもよりますが、私の経験上、年に数回以上行かれる方は10万円以上差がでていると思います。
最後に、海外出張はお金の面ではプラスになる
個人的な経験としては、海外出張にいくと必ずお金はプラスになります。
私の場合は海外出張の期間が短く、1週間から2週間ですが、それでも毎回6万円程度はプラスになります。実際には家族にお土産を買ってきたり、お客様へのお土産を自腹で買ったりするので、手残りはもう少し少ないですが、マイナスになることはありません。
過去一番お金を使った出張の際には、スポーツ観戦、毎夜の同僚と飲み、など多くの出費をしました。
そのような出費を考えると当然マイナスになったこともありますが、それは自分たちが好きで使っているので、損ではないですね。
逆にそのような経験も海外出張の1つの醍醐味だと思います。
この記事では、海外出張の行くことでお金の面でもプラスになるよ、ということを具体的なデータや経験を交えて紹介しました。実際にはお金の面だけでなく、海外の文化や観光もできる機会もあるというプラス要素も多くあります。
「海外出張に行きたいから日々の仕事や英会話を頑張っている!」という方は、ぜひそのような経験やお金の面でもプラスになるということをモチベーションにしてください。
そして、海外出張に行けるように、日々英語学習を頑張っていきましょう。英語学習には、英語アプリやオンライン英会話スクールを活用しましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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