みなさん経験されているように、英語でのコミュニケーションは、なかなか思い通りに話すことが難しいものです。仕事で英語を使われる方であればお分かりのように、単なる言葉の壁を超えて、専門的な知識や思考の違いまで考慮しなければならない場面もあります。
そのような状況では、「言いたいことがうまく伝わるか不安」、「こういう時英語でなんて言うのだっけ?」と感じることも多いでしょう。しかしそのような瞬間に、特定のフレーズを一文使うだけで、少しでもそのギャップを埋め、相手に自分の言いたいことをしっかりと理解してもらう機会を作ることができます。
緊張や不安を感じるのは自然なことですが、事前に一つや二つ、コミュニケーションを円滑にするためのフレーズを覚えておくと、そのような状況でも冷静に、そして効果的に対応することができるでしょう。
英語でなんと伝えたらよいかわからないときは多々ある
英語で何と伝えたらよいかわからないという瞬間、皆さんはどれくらい経験がありますか?特に業務上での話題やプロジェクトの詳細になると、その困難さは一層増します。
例えば、プロジェクトの進捗状況を報告する場合、
データや分析結果はしっかりと手元にありますが、それをどう表現して相手に伝えるべきかで悩むでしょう。ましてや、それが外国の上司やクライアントであれば、さらにプレッシャーは高まります。
なかなか英語が出てこないときにつらく感じるのが「時間」です。
言葉を探している間に、どんどんと時間が過ぎていく感覚。その時間が一瞬でも長く感じた場合、自分自身が話している内容に自信をなくしてしまい、それがまたうまく話せないという悪循環に陥ることも多々あります。
このような状況は、特に英語が母国語でない私たちにとっては避けて通れない道ですが、そのたびに落胆する必要はありません。実は、一言や二言のフレーズをうまく使うことで、相手に「今、ちょっと複雑な話をするから、しっかり聞いてほしい」という気持ちをしっかりと伝え、相手の理解を促すことができるのです。
たとえば、プレゼンテーションの最中に
「It’s hard to explain, but…(説明が難しいんですが…)」
と一言挟むことで、その後の話に少しでも集中してもらえる可能性が高まります。
こういった表現を使うことで、話が複雑であると認識してもらい、より注意深く聞いてもらえる環境を作ることができます。
英語がすぐに浮かばない時に使える「助けの一言」を持っていれば、その困難を少しでも和らげることが可能です。そして、それが成功体験となり、次第に自信につながっていくでしょう。
困ったら、まず一文、これを使おう。10選!
それでは早速、うまく英語で伝える自信がない時に使える英語表現を紹介していきましょう。これらの表現は日常のビジネスシーンや技術的なディスカッションで非常に役立ちます。海外出張や国際学会での発表など、英語を使用する場でもこれらの「枕詞」が円滑なコミュニケーションを助けてくれるでしょう。
1. “It’s hard to explain, but”
この表現は、説明が難しい内容や複雑な情報を共有する際に有用です。このフレーズを使うことで、聞き手に少しの「準備時間」を与え、複雑な内容が続くことを伝えられます。
説明が難しいのですが、
“It’s hard to explain, but this algorithm improves the system efficiency by 20%.”
説明が難しいのですが、このアルゴリズムでシステムの効率が20%向上します。
これは非常によく使う表現です。経験上、この一文を挟むことによって、相手は積極的に聞こうという思いになってくれます。ぜひ使ってみてください。
2. “As far as I understand,”
この表現は、自分が理解している限りの情報や意見を共有するときに使います。これにより、自分の知識が限定的かもしれないという点を明示できます。
私が理解している限り、
“As far as I understand, the new update will be rolled out next week.”
私が理解している限り、新しいアップデートは来週実施される予定です。
こちらも会議中に一度は使う表現です。情報が確実でない時、少し謙虚にいう場合など広く使えます。日本人には使いやすい表現だと思います。
3. “To be frank,”
この表現は、率直な意見や感情を共有する際に役立ちます。使うことで、続く言葉がオープンかつ正直なものであることを示すことができます。
率直に言うと、
“To be frank, we need to improve our project timelines.”
率直に言うと、私たちはプロジェクトのタイムラインを改善する必要があります。
「To be frank」と非常によく似た意味を持つ「To be honest」ですが、実は微妙な違いがあります。
- To be frank: この表現は、通常は「率直に言って」という意味で用いられます。言いたいことが少し厳しいかもしれない、あるいは他人を傷つける可能性がある場合に、そのような事実や意見を控えめに伝える際に使用されます。
- To be honest: この表現は「正直に言って」と解釈され、通常は個人的な感情や信念を述べる際に使用されます。率直さよりも、誠実性や真実性が強調されることが多いです。
両者は多くの場合、互換性があります。しかし、「To be frank」は少しもっと「直接的な」言い回しであると考えられることがあり、一方で「To be honest」は誠実や真実性を少し強調する傾向があります。
4. “Just to clarify,”
このフレーズは、細部や特定のポイントについて誤解を防ぐために使います。これを用いることで、話の中で特に重要な部分に焦点を当てることができます。
明確にするために、
“Just to clarify, we are still in the research phase, not development.”
明確にするために、我々はまだ研究フェーズにあり、開発段階ではありません。
この表現は英語が堪能な方はよく使う表現です。私が勤める会社の海外営業の方や海外転勤経験者が使うのをよく耳にします。
5. “If I may say,”
この表現は、自分の意見や提案を控えめに述べるときに用いられます。これにより、聞き手があなたの言葉により注意を払う可能性があります。
言わせていただければ、
“If I may say, this approach won’t solve the underlying issue.”
言わせていただければ、このアプローチでは根本的な問題は解決しません。
この表現は控えめでビジネスシチュエーションにはピッタリです。特に、言い難いことを言う前の枕詞としては最高です。
6. “Let me put it this way,”
この表現は、独自の視点や比喩を使って何かを説明するときに便利です。これにより、複雑な概念を聞き手が理解しやすい形で提示できます。
このように表現すると、
“Let me put it this way, the server is not just slow; it’s practically a fossil.”
このように言えばわかりやすいかもしれませんが、サーバーは単に遅いというレベルではなく、もはや化石と言っても過言ではありません。
これは上級者向けの表現です。単語自体は難しくないのですがこの表現を使えると一歩上のステージに立てますね。
7. “To put it simply,”
このフレーズは、複雑な話や専門用語を簡潔にまとめる際に非常に便利です。このフレーズを使うことで、相手に対してより明瞭かつ簡単にポイントを伝えることができます。
簡単に言うと、
“To put it simply, this new material can withstand higher temperatures.”
簡単に言うと、この新素材はより高い温度に耐えられます。
「In short,」も似たような文脈で使われることが多く、ともに簡潔にまとめる際に使われます。
8. “In a nutshell,”
このフレーズは、多くの情報を非常に短い形で要約するときに使います。これを使うことで、相手が要点を素早く把握できるように促します。
端的に言うと、
“In a nutshell, we’re behind schedule.”
端的に言うと、私たちはスケジュールが遅れています。
「In a nutshell」という表現は、「端的に言うと」や「短く言えば」といった意味で使われます。このフレーズの起源にはいくつかの説がありますが、一般的な解釈としては、この表現が文字通り「ナットの殻(shell)の中に」という意味を持つことから来ています。
古典文学などでは、大きな物語やアイデアを非常に小さなスペース、例えば「ナットの殻」に象徴的にまとめるという考え方がありました。たとえば、シェイクスピアの「ハムレット」にも、物語を「ナットの殻」に詰め込むというメタファーが出てきます。
このようにして、ナットの小さな殻が大きなアイデアや複雑な物語をシンプルにまとめる象徴とされています。それが転じて、現代では「In a nutshell」というフレーズが「要するに」や「短く言えば」といった意味で広く使われるようになりました。
9. “If I could add,”
このフレーズは、既に進行中の話題に追加の情報や観点を提供する際に有用です。これを使うことで、貢献をよりスムーズに行えます。
加えさせていただければ、
“If I could add, this feature could also improve user engagement.”
加えさせていただければ、この機能はユーザーのエンゲージメントも向上させる可能性があります。
こちらもビジネスで使える謙虚な表現です。相手を不快にさせずに追加の情報や漏れている内容を補うことができます。
10. “For lack of a better word,”
このフレーズは、最も適した言葉が見つからない場合に、一時的な表現として使われます。この表現を使うことで、不完全ながらも要点を伝えることができます。
うまい言葉が見つからないのですが、
“For lack of a better word, the design is a bit outdated.”
うまい言葉が見つからないのですが、デザインが少し古いです。
「伝えたいけれど適した専門用語が見つからない、忘れてしまった。」という時には、For lack of a better word, と言ってから説明するとよいでしょう。
おすすめ学習方法3選!
スキルを向上させたい、知識を増やしたいと思ったとき、最も大切なのは「継続」です。しかし、ただやみくもに時間を費やすだけでは、なかなか成果が出ないことも多いです。ここでは3つ、継続的に学び続けるための学習法を紹介します。
業務を学びの場に
業務で英語を扱う方にとって、業務そのものが一つの大きな学習の場です。新しいプロジェクトやタスクに取り組む際に、未経験の分野やスキルが求められることもあります。この機会を逃さず、積極的にその分野について学ぶことが重要です。
例えば、海外とのお客様とのWEB会議を行う場合を想定します。
その場合、あなたよりも英語が担当な先輩や上司、お客様が使っている英語表現をよく聞き、メモしましょう。使い方が分からない表現があった場合にはWEB会議を終了したらすぐに使い方を確認します。それらをエクセルなどにまとめておくことで、自分だけの英語学習ノートができます。(Input)
さらにその表現を次のWEB会議などで使用する(Output)ことで自分の表現として定着していきます。
単語を学ぶ
英語でのコミュニケーションはその中で使っている単語が分かればおおよそ文脈を読み取ることができます。そのため単語学習も非常に効果的です。特にビジネスで使われる単語は日常英会話とは少し異なるため、自ら単語を学ぶ必要があります。
単語を学習するためには、TOEIC L&Rの学習で使用する単語帳で学ぶことがおすすめです。TOEIC L&Rの試験では必ずビジネスシーンが登場するため、ビジネスで使用される単語もTOEIC L&Rの単語帳に必ず紹介されているからです。
単語を勉強するのであれば、「金フレ」が一冊あれば十分です。もし「金フレ」が難しいと感じる方は、基礎から学べる「銀フレ」から始めてみるとよいでしょう。
オンライン英会話でリアルな練習を
業務で英語を使わない方でも、オンライン英会話を利用して英語のスキルを向上させることができます。オンラインでいつでもネイティブスピーカーとリアルタイムで会話ができるため、実践的なスキルが身につきます。
日常的な会話からビジネスシーンでのコミュニケーションまで、多様なトピックでリスニングとスピーキングの両方を同時に鍛えられます。
講師との会話の中でわからない表現がでてきた場合には、
「What do you say in English in a situation like this? 」
こういう時には英語で何ていうの?
などと聞きながら表現を学んで行きましょう。
業務経験を最大限に活かし、オンライン英会話などでスキルを身につけ、実践で使うことで知識を定着させましょう。どのオンライン英会話を選んだら分からない方には、私も活用しているDMM英会話をおすすめします。
これらの方法を組み合わせることで、より効率的かつ効果的な学習が可能です。
まとめ 紹介した表現のうち3つだけ覚えよう
この記事で紹介した英語表現は、英語初心者の方でも日常会話や業務で効果的に使えるように、個人的な経験も交えて選びました。全て覚える必要はありませんが、このうちの3つを自分で選んで積極的に使っていきましょう。
英語表現 | 日本語訳 | 使用場面 |
---|---|---|
“It’s hard to explain, but” | 説明が難しいのですが、 | 複雑な情報を共有する前に |
“As far as I understand,” | 私が理解している限り、 | 自分の知識が限定的かもしれないとき |
“To be frank,” | 率直に言うと、 | 正直な意見を述べるとき |
“Just to clarify,” | 明確にするために、 | 誤解を避けたいポイントがある場合 |
“If I may say,” | 言わせていただければ、 | 控えめに意見や提案を述べたいとき |
“Let me put it this way,” | このように表現すると、 | 独自の視点や比喩を使いたいとき |
“To put it simply,” | 簡単に言うと、 | 複雑な内容を簡潔に説明したいとき |
“In a nutshell,” | 端的に言うと、 | 多くの情報を短く要約したいとき |
“If I could add,” | 加えさせていただければ、 | 既に進行中の話題に追加情報を提供したいとき |
“For lack of a better word,” | うまい言葉が見つからないのですが、 | 最適な表現が見つからないが、要点を伝えたいとき |
学習方法については、業務を学びの場とすること、単語を学習すること、そしてオンライン英会話で実践的な練習をすることが有益だと感じます。
オンライン英会話を試したことがない方はぜひこの機会に無料体験レッスンを受けてみてください。
一つ一つの努力が積み重なることで、国際的な舞台でも自信を持ってコミュニケーションが取れるようになっていきます。より多くの人と円滑にコミュニケーションを取るために、日々の業務や学習で英語の表現を増やしていきましょう。最後までご覧いただきありがとうございました。