英語の文法や単語は理解できるのに、いざネイティブスピーカーの話す英語が聞き取れない、という経験はありませんか?これは多くの日本人が英語学習でぶつかる壁のひとつです。特にビジネスシーンや旅行、日常会話で、海外の相手の話を瞬時に理解するリスニング力は欠かせません。
この記事では、英語が聞き取れない原因や、効率的にリスニング力を伸ばすための具体的な方法について解説します。また、私が実際に効果を感じたオンライン英会話の活用法や、日常的なリスニングのコツについても紹介します。
聞き取れる力を身につけ、英語の会話がもっと楽しくなるための学習法を一緒に探っていきましょう。
目次
聞き取りが苦手な原因とその対処法
英語を聞き取ることが難しい理由の一つに、話されたすべての単語を完璧に聞き取ろうとする姿勢があります。実際には、全てを理解する必要はなく、重要なキーワードや文の冒頭に集中するだけで、全体の意味をつかむことが可能です。この章では、リスニング力向上のための具体的なコツと、実生活でも活用できる練習方法をご紹介します。
コツ1: すべての単語を聞き取ろうとしない
リスニングが苦手な方の多くは、ひとつでもわからない単語があるとそこに意識が集中してしまい、話の流れを見失ってしまいがちです。しかし、会話全体の要点やキーワードに注目するだけで、スムーズに内容を理解できます。
文章は一度で全て聞き取る必要はなく、まずは文章の内容を把握することに努め、その内容をもとに質問をするということを心がけることがポイントです。
文法中心に学習してきた私達は、完璧に理解しようとしてしまいます。実は英語が得意な人でも、単語全てを理解しているわけではなくキーワードから文章を推測していることも多いです。
次の例を参考に、重要な単語だけに集中する練習をしてみましょう。
I’m planning to catch up with an old friend this weekend, but I need to finish my chores first.
今週末に旧友と会おうと思っているけど、まず家事を終わらせる必要がある。
この文章では仮に「catch up with(会う)」と「my chores(家事、雑務)」がわからなかったとしても、「an old friend this weekend」と「need to finish」が理解できれば、「週末に友達関連でなにかあるんだな、そのためになにか終わらせないといけないのかな」というところまでは十分推測できます。
「catch up with」には「追いつく」という意味だけでなく、「(長い間会っていなかった)友人や知人と近況を話し合う」という意味でも使われます。
The team meeting will focus on upcoming project deadlines and any potential risks we need to address.
チーム会議では、今後のプロジェクトの締め切りと対応すべきリスクに焦点を当てる予定です。
この文章でも、「The team meeting」と「project deadlines」、「risks」を聞き取ることができれば、「会議でプロジェクトのデットラインやリスクについて扱われるのかな?」というところまでは十分推測できます。
「upcoming」は未来の具体的なイベントや予定を指すときに適しています。よく「next」や「forthcoming」と似た意味で使われますが、「upcoming」はよりカジュアルで広く使われるので、ビジネスでもよく耳にする表現です。
When do you think the team will complete the final review of the project?
チームがプロジェクトの最終確認を完了するのはいつだと思いますか?
最初に「When」のように疑問詞が来た場合には質問されていることは分かると思います。あとはこの場合「the team will complete」が聞き取れれば、「このチームのなにかの完了はいつかということを聞いているな」というところは十分推測できます。
疑問詞や最初の主語を聞き取れると大きなアドバンテージになります。最初の単語に注目して聞きましょう。
このように、すべての単語を完璧に聞き取ることを目指さず、重要な単語に注目することで、会話の要点を素早く理解できるようになります。
コツ2: 文の最初の単語に注目する
英語の会話では、文の冒頭に置かれる単語が文全体の意味を方向づけることが多くあります。特に、ビジネスや日常会話でも、最初の単語を聞き取るだけで、内容の方向性や目的がすぐに予測でき、話の流れがつかみやすくなります。
いくつかの例を挙げてみましょう。
Let’s schedule a follow-up meeting next week to discuss our findings.
来週にフォローアップ会議を設定して、私たちの調査結果について話し合いましょう。
この文の冒頭の「Let’s」は、「一緒に~しよう」と行動を提案する際によく使われる表現です。この単語と「meeting」「next week」を聞き取ることで、相手が提案している内容だとすぐに理解できます。
“Follow-up” は「後の対応」や「フォロー」を意味し、行動や会議の後に確認や継続対応を行うことを指します。主にビジネスシーンで、会議後や対応後の確認に使われます。
Where should we allocate the additional resources for this quarter?
この四半期に追加のリソースをどこに割り当てるべきですか?
「Where」で始まるこの文は、「どこに?」と場所を尋ねる質問です。冒頭の疑問詞を聞き取ることで、質問の焦点がリソースの配分先であることが即座にわかります。その後「addtional resources(追加のリソース)」が分かるだけで、文章全体の内容が大まかに分かるようになります。
“This quarter” は「この四半期」を意味し、1年を4つに分けた期間のうちの1つを指します(通常3か月)。ビジネスや経済でよく使われ、例えば1月から3月、4月から6月などのように、具体的な3か月の期間を示します。
When do you plan to submit the final report?
最終報告書をいつ提出する予定ですか?
この文の「When」という疑問詞は、「いつ」という時間を尋ねるもので、リスニング中にこれを聞き取れば、質問が時間に関するものであるとすぐに把握できます。あとは「plan」と「report」が聞き取れれば、十分文章の意味を理解することができるでしょう。
“Submit” は「提出する」「提出するために出す」という意味を持つ動詞です。書類、レポート、申請書などを正式に渡したり、提出したりする際に使用されます。
このように、文の最初に注目することで次に続く内容が予測しやすくなり、リスニングの効率が上がります。逆にいうと最初の単語が聞き取れないと文章全体の意味を捉えることが難しくなります。
実践的なリスニングの学習法
これまでの章で具体的なリスニング力を向上させるポイントを紹介しました。これらの技術を使ってリスニング力を効率的に高めるためには、実践的な学習法と英単語力の強化が重要です。ここでは、リスニング力を向上させる具体的な学習方法と、理解をサポートするための単語力向上のポイントをご紹介します。
4-1. オンライン英会話を活用する
海外の方と話す機会が乏しい方や効率よくリスニング力を上げたい方にとって、オンライン英会話の活用は非常に効果的です。オンライン英会話では、日常会話やビジネス英語のリスニングを実践的に学べるだけでなく、以下のような独自のメリットがあります。
実践的なリスニング力が鍛えられる
オンライン英会話では、テキストでは得られないリアルなリスニング体験が可能です。例えば、教材だけでは得られない話し手のリズムやイントネーション、話すスピードに慣れることができます。実際に講師とやり取りをする中で、リスニングだけでなく、スムーズに返答する反応力も同時に鍛えられるため、会話の中でのリスニング力が身につきやすくなります。
世界の様々な国の英語を聞くことができる
多くのオンライン英会話スクールは、アメリカ、イギリス、オーストラリア、フィリピンなど世界中の講師を抱えています。講師ごとに発音やアクセントが異なるため、日常的に複数のアクセントに触れることができ、異なる英語の発音に対する適応力が自然に養われます。ビジネスや旅行先など、さまざまな場面での英語に対応するリスニング力をつけるためにも、多国籍な講師と会話をするメリットは大きいです。
圧倒的な低コストでレッスンを受けることができる
通学型の英会話教室と違い、1レッスン225円(DMM英会話スタンダードプラン)という価格で毎日レッスンを受けることができます。英語を聞く機会を増やすことはリスニング力を上げるために非常に効果的です。
わからないことが恥ずかしくない
オンライン英会話ではマンツーマンレッスンを受けられるため、わからないことや間違うことが恥ずかしくありません。また教材も自分の好きなものを毎回選ぶことができるため、自分のペースで確実に学習することができます。
これらの理由から、リスニング力を効率的に高めたいと考えている方に、オンライン英会話は大変有効な学習手段です。興味を持たれた方は、まずは無料体験レッスンなどで試してみることをおすすめします。
オンライン英会話も数多くありますが、どのオンライン英会話がよいかわからないという方には、私も継続できているDMM英会話をおすすめします。
4-2. 映画や動画で日常的にリスニング練習をする
映画や動画は、自然なスピードと会話の流れに触れるための良い素材です。特に、リスニング力を鍛えるために、自分の好きな海外の映画や動画を毎日みることは効果的です。
私がよく見てみていた動画は、アメリカのドラマ「フレンズ」です。英語学習者には人気の海外ドラマなので聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?ニューヨークを舞台に、6人の男女の友情、恋愛、家族をコミカルに描いた90年代の大ヒットドラマです。内容も面白く見られるため飽きることなく見続けることができます。
またこのドラマの英語を解説したYouTubeも数多く存在するため、それらと合わせて学習することで一層リスニング力を鍛える事ができます。
その他にもYouTubeでは様々な英語学習チャンネルがあります。自分の好きなチャンネルを見つけてスキマ時間で英語に慣れることもリスニング力を鍛える第一歩です。
4-3. 英単語力を高めることでリスニング理解度をアップさせる
リスニング力を伸ばすには、英単語力の強化も欠かせません。みなさん想像できるように、単語の知識が豊富であればあるほど、聞き取れる内容が増え、文脈から意味を理解する力が強化されます。特に、ビジネス英語では特定の業界用語や慣用表現が多く登場するため、頻出の単語を重点的に覚えると良いでしょう。
私がおすすめするのは「銀フレ」と「金フレ」です。どちらも縦17cm、横10.5cm、厚さ1.2cmと、手のひらサイズで持ち運びやすく、外出先でも学習しやすいデザインです。
これらの書籍は、TOEIC L&Rの大人気対策本となっていますが、日常生活からビジネスまで幅広く使われる単語が網羅されているため、学習を進めることで着実に単語力を向上させることができます。
「銀フレ」は初心者向けで、TOEICスコアが500点未満の方にはこちらから始めるのがおすすめです。
「金フレ」の書籍の中でも、スコア別に単語が学習できるように工夫されているので、自分のレベルに合わせて学習することができます。1日10単語でも20単語でもよいので、少しずつ繰り返し学習していくことで単語力がついてきます。
まとめ:効率よくリスニング力を伸ばそう
英語のリスニング力を効率よく伸ばすためには、ただ聞くだけでなく、実践と基礎のバランスが大切です。今回ご紹介した各コツや学習法を振り返り、効果的にリスニング力を鍛えていくためのポイントを再確認しましょう。
1.すべての単語を聞き取ろうとしない
キーとなる単語をいくつか聞き取るだけで文章の内容は十分推測することができます。
2.文の最初の単語に注目する
疑問詞や主語など最初の単語に注目することで何を訪ねているのか?もしくは誰に対して言っているかを掴むことができます。
またリスニングを伸ばすためにはこれらのコツに加えて継続した英語学習が必要になります。英語学習法としては下記のような内容を紹介しました。
1. オンライン英会話を活用する
自分のペースで毎日実践的な英語力を身につけるためにはオンライン英会話は第一の候補になります。1レッスンあたり225円という低価格で学習できるプラットホームは私達の味方です。
2. 海外映画やドラマを見る
自分が興味を持てる海外ドラマや海外映画を繰り返し見ることで海外の本場の英語スピードを体感することができます。さらにYouTubeに投稿されている解説動画などで英語でなんと言っているかが理解できるようになるでしょう。
3. 英単語を学習する
英単語を知っているだけで格段に英語の文章の理解力は向上します。毎日10語、20語でも少しずつでも英単語を増やしていきましょう。
一番リスニング力がつきやすいのは、実際に海外の人と会話をすることです。自分でも話しながら相手の言っていることを理解しようとすることでリスニング力が徐々にそして確実についてくるようになります。
業務などで英語に触れる機会が少ない人はオンライン英会話を活用してください。
英語のリスニングは少しずつ積み上げることで着実に上達します。まずは、自分に合った方法を選び、継続して取り組むことが大切です。今回の学習法を参考に、効率的にリスニング力を伸ばし、自信を持って英語の会話に臨めるようにしていきましょう。