多忙な日々を送る皆さんへ、今回は海外のエンジニアと彼らの働き方について紹介します。タイトルの通り、「忙しくてもバケーションは絶対に取る」これは彼らの働き方の一部であり、仕事のパフォーマンスを向上させる重要な要素です。
この記事では、日本と海外の働き方の違い、海外でのプロジェクト進行に必要な文化理解、そして円滑なコミュニケーションのためのポイントについて解説します。
海外との仕事をこれから進めていく方、または働き方に対する新たな視点を求めている方にとって有益な情報となるでしょう。
目次
日本人の働き方の特徴と最近の若手社員の働き方
結論から言うと、日本の働き方は、海外と比較して、長時間労働が常態化し、休暇を取りにくい傾向があります。OECDの調査によると、日本の年間労働時間は海外と比較して高く、有給休暇消化率も低いのが特徴です。
有給休暇の取得をためらう理由の第一位は「周囲に迷惑がかかるから」、第二位は「後で多忙になるから」ということで、日本に有給休暇の取得が浸透していないことが浮き彫りになっています。
近年では、日本企業も若手社員を中心に、ワークライフバランスを重視する動きが見られ、有給休暇取得率も上昇してきています。
私が働くメーカでも平均有給取得率が16日(80%)を超えています。
Googleの有給休暇の取得プロセス
グーグルの有給休暇取得プロセスは、運用上、実にストレスがない。「有休を取得する際に、上司など誰かの承認は要りません。理由の申告も不要。社内の申請ツールでカレンダー上に記入すると、上司に自動で通知が届いて、知らされる仕組みになっています」(引用元:My News Japan)
海外のエンジニアにとってバケーションとは?仕事とは?
海外のエンジニアにとって、「バケーション」は、休息と家族とのリフレッシュの時間であり、仕事とは切り離せない要素です。アメリカの大手IT企業では、1年に2-3週間のバケーションを取得するのが一般的です。それは彼らの働き方の一部であり、その時間を有意義に使うことで、仕事のパフォーマンスを高める役割を果たしています。具体的には、新しい視点やアイデアを得るための読書や旅行、スキルアップのための学習など、多岐にわたる活動を行います。
海外では夏休みとして数週間から1ヶ月程度休みを取ることは珍しくありません。どんなにプロジェクトが架橋に差し掛かっていても、「それはそれ。これはこれ。」と割り切ってバケーションは欠かしません。逆に言うと、長期休暇が一般的になっているためそれを前提にどのように仕事を進めるのか、補完するのかということが念頭にプロジェクトが進められます。
日本では”遅れは休日返上で取り戻す”ということが現代でも日常的に行われています。この点は日本と大きく異なります。
海外の顧客とプロジェクトを進める上では、文化も知っておくべき
海外のビジネスパートナーとのプロジェクトでは、国や地域の文化理解が重要です。そこで、具体的な文化理解とその活用方法について見ていきましょう。
バケーションの考慮
海外では、特に欧米では、バケーションを毎年必ず取得することが一般的であり、その期間は2-3週間となります。これは日本とは大きく異なる点で、プロジェクトスケジュールを策定する際にはこれを十分に考慮する必要があります。一般的に、バケーション前後の業務スケジュールを空けておく、代替手段を準備しておくなどの対策が求められます。
スケジュールは、バケーションを考慮できるように、かつ実働の時間を把握できるように、実際の日付をもとに、”週単位”で立てるようにしましょう。週単位でスケジュールを立てることにより、実働どの程度の時間が確保できるのかを理解できるようになります。
スケジュールは自分でエクセルで作成しても良いですが、テンプレートを使いたい方は、エクセルのテンプレートを使うとよいでしょう。
下記は「シンプル ガント チャート」というテンプレートです。よかったら使ってみてください。
自己開発時間の尊重
Googleの「20%ルール」やAtlassianの「シップイットデー」など、自身のスキルや知識を高める時間を設ける企業が多くあります。これは自己開発時間と呼ばれ、社員が新しいアイデアや技術を探求する時間として、企業のイノベーションを促進します。プロジェクト進行においてもこの時間を尊重することで、より良い成果を引き出すことが可能になります。
以上のように、海外の働き方を理解し尊重することで、円滑なプロジェクト進行と良好な関係性を築くことが可能になります。違う文化を理解し、それをビジネスに活かすことで、新たな視点や創造力を引き出すことができます。
一緒に働くパートナーを理解することで、互いに学び、成長し、より良い結果を得ることができるのです。
注釈:
- 20%ルール:Googleにおける独自の制度で、働く時間の20%を自己のプロジェクトに使うことができるというもの。これにより、GmailやGoogle Newsなどのサービスが生まれました。
- シップイットデー:Atlassian社が行っている制度で、定期的に24時間開発マラソンを実施し、新しいアイデアを出し合って開発を行います。この時間は社員の自由な発想や創造性を刺激し、新たな製品や改善策を生み出す機会となります。
最後に、 コミュニケーションを円滑に進めることがプロジェクト成功の鍵
我々エンジニアは技術力が仕事の中心となる一方で、それだけでなくチームで働くためのコミュニケーション能力も非常に重要です。特に、海外の顧客やプロジェクトメンバーと働くとき、文化や習慣の違いからくるミスコミュニケーションはプロジェクトの進行を大きく阻害します。
そこで重要なのが、相手の文化や働き方を理解すること。
バケーション取得の尊重や、相手の休暇に合わせたスケジューリングは、お互いのリスペクトを示し、信頼関係を築く一歩となります。同時に、相手の国の言葉や表現に少しでも触れることで、相手の視点を理解しやすくなります。これは、相手のニーズを理解し、最適なソリューションを提供するためにも重要なスキルです。
つまり、文化の理解と共に、技術力とコミュニケーション能力がバランス良く働くことが、国際的なプロジェクトで成功を収めるための鍵です。これらを持つエンジニアは、世界中どこでも活躍することができ、新たな価値を創造することができるでしょう。そのために、海外のエンジニアの働き方や文化を理解し、自分自身を常に成長させることが求められます。
今日の情報が皆さんの一助となることを願っています。最後までご覧いただきありがとうございました。