この記事では、エンジニアの方々にとって役立つ英単語やフレーズをご紹介します。多くの方々が初めて海外のクライアントや同僚とコミュニケーションを取る際、不安を感じた経験があるでしょう。また、これからそのような経験を控えている方々は、どう対応すべきか緊張しているかもしれません。「何を話せばいいのかな?」や「相手の話が理解できなかったらどうしよう?」などの心配は当然のことです。
ですが、過度に心配する必要はありません。
エンジニア同士の会話は、主に技術的な話題やそれに関連するスケジュールに関する議論が中心です。そのため、基本的な単語やフレーズを押さえておけば、会話に十分ついていけるようになります。本記事では、実際に英語での議論に対応するために必要な、エンジニア向けの重要な英単語・表現を私の経験を交えてご紹介します。実践で役立つ表現を選んでいますので、ぜひ覚えて、自信を持って英語でのコミュニケーションに挑戦してください。
目次
エンジニアが使う英単語・英語表現は違うの?
一般的な日本人エンジニアが使用する英語表現は、実は限定的です。難解な単語や複雑なフレーズを使う必要はほとんどありません。多くの場合、日本人エンジニアとコミュニケーションを取る海外の方々も、彼らの英語表現を日本人向けに簡単にしてくれます。よって、頻繁に使われる単語やフレーズを理解しておけば、話の内容を十分に理解することが可能です。これは、エンジニア同士のコミュニケーションにおいて大きな利点です。
エンジニアの皆さんは、用意した資料の説明やそれに関連するディスカッションについて予め知っています。背景や期待される質問もおおよそ予測可能です。この点が非常に重要です。「どのような質問が来るだろうか」や「どんな懸念を持つか」を予め考えておくことで、特定の英単語や表現を聞き取った際に、「これはあの質問だ!」と直感的に理解できるようになります。
エンジニア特有の英語表現:技術用語とその使い方
それでは、英語でのディスカッションにおいてエンジニアが頻繁に使用する単語を紹介しましょう。
技術的な単語・フレーズ
これらの単語は、日常会話ではあまり使われませんが、技術的な議論には欠かせません。ぜひ覚えておきましょう。
No. | 単語 | 意味 | 例文 |
1 | phenomenon | (名) 現象 | Is that phenomenon happening there as well? そちらでもそのような現象が起きているのでしょうか? ※「phenomena」は「phenomenon」の複数形 |
2 | root cause | (名) 根本原因 | We are looking for the root cause. 根本的な原因を探っています。 |
3 | reproduce | (動) 再現する | We have reproduced the problem on your side. そちらで発生した不具合が弊社側でも再現しました。 |
4 | rationale | (名) 根拠 | What is the rationale for this request? この要求の根拠は何ですか? |
5 | requirement | (名) 必要条件 | requirement specification 要求仕様書 |
6 | critical | (形) 致命的な | Is the problem a critical issue with the product? その問題は製品にとって重要な問題ですか? |
7 | function | (名) 機能 | Is the function working properly? 機能は正常に動作していますか? |
8 | off-the-shelf product | (名) 市販品 | The system can be achieved by combining off-the-shelf products. そのシステムは既製品同士を組み合わせることで実現できます。 |
9 | performance | (名) 性能 | その性能は飛躍的に向上しています。 Its performance has improved dramatically. |
10 | mitigation | (名) 緩和 | We need to find some mitigation. 何か緩和策を見つけないと |
11 | from scratch | 一から 最初から | We need to rethink this from scratch. 一から考え直す必要があります。 |
12 | cutting-edge technology | 最先端の技術 | The process rule is not cutting-edge technology. そのプロセスルールは最先端の技術ではありません。 |
データや性能などを比較したり、結果を示したりするときには、以下のような”度合い”を示す副詞もよく耳にします。これらを使うことで一気に表現の幅が広がります。
● dramatically 劇的に
● slightly わずかに
● completely / totally 完全に
● correctly / properly 正しく
一般的な単語・フレーズ
これらも打ち合わせで頻繁に使われる単語です。日常会話ではあまり出てこないかもしれませんが、ビジネスシーンでは非常に重要です。
No. | 単語 | 意味 | 備考 |
1 | agenda | (名) 議題 | On today’s agenda is a progress check on a new product. 今日の議題は、新製品の進捗確認です。 |
2 | perspective | (名) 視点、見通し | From my perspective, that issue is not a major problem. 私の視点では、その問題は大きな問題ではありません。 |
3 | mandatory | (名) 必須 | Is it mandatory to wear a mask? マスクの着用は必須ですか? |
4 | postpone | (名) 延期 | Please let me postpone tomorrow’s meeting. 明日のミーティングを延期させてください。 |
5 | progress | (名) 進捗 | How is the progress of that project? そのプロジェクトの進捗はいかがですか? |
6 | go over = quick review | (動詞) 簡単に調べる | Let’s go over the minutes from our last meeting. それでは、前回の議事録を確認しましょう。 |
7 | go through = detail review | (動詞) 詳しく調べる | Could you go through those materials in detail prior to the meeting? その資料を打合せ前に詳細に確認してもらえますか? |
8 | on the same page | 同じ考えをもっている 同じ認識である | It is important that both teams are on the same page and share all issues. 両チームが同じ立場ですべての問題を共有することが重要です。 |
9 | take into account | (動詞) 考慮する | We need to take the results into account as well. その結果も考慮する必要があります。 |
10 | minutes | (名) 議事録 | I will send you the minutes of today’s meeting. 本日の議事録をおくります。 |
11 | paperwork | (名) 事務処理 | That paperwork is expected to take a week. その書類作業は1週間かかる予定です。 |
12 | due date (= deadline) | (名) 期日 | その書類の締切期日はいつの予定ですか? When is the due date for that document scheduled to be due? |
ビジネスシーンで役立つ:エンジニアのための英語表現
こちらの章では、打合せや技術的な説明でよく使われる英語表現を具体的に紹介します。
打合せ前後でよく使われる表現
これらの表現は、単語自体は難しくないものの、会話の中で素早く使われることが多く、「どういう意味?」と戸惑いやすいです。
No. | 表現 | 備考 |
1 | Is everyone here? 全員揃いましたか? | Web会議などの最初によく使いますね。 |
2 | The purpose of today’s meeting is… 本日の打合せの目的は、・・・・ | |
3 | How is the progress? その進捗はいかがですか? | |
4 | Moving on to the next agenda item. 次のアジェンダに移ります。 | |
5 | New software will be available next month. 新しいソフトは来月提供(発売)予定です。 | |
6 | Unfortunately, due to a lack of manpower, it is difficult to deliver on that schedule. 残念ながら、人手不足のため、そのスケジュール通りに納品することは難しい。 | |
7 | Sorry, we are slightly behind schedule. 申し訳ありませんが、予定よりもわずかに遅れています。 | |
8 | Is there still room for consideration? まだ検討の余地がありますか? | roomは「余地」という意味で使われています |
9 | Your advice would be very helpful. あなたのアドバイスはとても役立ちます | |
10 | Japan is 12 hours ahead of the U.S. 日本はアメリカより12時間時間が進んでいます。 | 遅れている場合には、「behind」 を使います。 |
11 | We have only 10 minutes left today. 今日はあと10分しか時間がありません。 | |
12 | When is the deadline? その締切はいつですか? |
議論中によく使われる表現
これらは議論中に特に頻繁に使われる表現で、会話の流れをスムーズにするのに役立ちます。
No. | 表現 | 備考 |
1 | I will share my document on the screen. 私の資料を画面にで共有します。 | |
2 | That NDA agreement is still pending. そのNDA契約はまだ保留中です。 | |
3 | Wait a minute. / Wait a second. / Just moment. ちょっと待ってください。 | |
4 | Please wait a moment. We will discuss this issue internally in Japanese. 少し待ってください。その件について日本語でこちらのチームで議論します。 | Web会議ではよく使う表現ですね。 |
5 | These results show that our products meet the required specifications. これらの結果から、私たちの製品は要求されたスペックを満たしています。 | meetは仕様を「満たす」という意味で使われています |
6 | Could you please relax that specification? その仕様を緩和していただけないでしょうか。 | relaxは「緩和する」という意味で使われています |
7 | Any questions or comments so far? これまでで質問やコメントありますか? | 説明をするときには、時々このように相手が理解しているかを確認しながら進めましょう。 |
8 | (質問ある?と聞かれて) None so far, thank you. 今のところないです,ありがとう。 | |
9 | Does my question make sense? 私の質問は理にかなっていますか? | Do you understand my question? だと、 相手が自分の質問を理解する能力があるのかを聞いているニュアンスが含まれてしまいます。 |
10 | Your advice would be very helpful. あなたのアドバイスはとても役立ちます | |
11 | We do not have the answer to that question right now. 今、その答えを持っていていません。 | |
12 | We will answer you by e-mail at a later date. 後日、メールにてご回答させていただきます。 |
会話や説明のところどころに下記のような副詞をいれることにより、自分の気持ちも伝わりやすくなります。
● Fortunately 幸運にも
● Unfortunately 残念ながら
● Honestly 正直に言うと
● Personally 個人的には
文章の最初に入れるだけで充分です。例えば私はよく下記のような文章で使います。
“Honestly, I did not fully understand what you explained to me. Could you please explain it again?”
正直に言うと、あなたが説明してくれたことが完全には理解できませんでした。もう一度説明してくれますか?
英語学習の方法:実践と理論を組み合わせて
海外のお客様との会議でスムーズなコミュニケーションを取るためには、実践的な英語表現を習得することが不可欠です。しかし、どのようにして英語を効果的に学ぶかは、多くのエンジニアにとって頭を悩ませる問題です。この章では、実践的な英語表現の習得を支援する具体的な学習方法を紹介します。
オンライン英会話でアウトプットの機会を増やす
オンライン英会話は、ビジネスシーンでの英語使用に必要なスキルを身につけるための効果的な方法です。以下の2つのスクールは、その内容と価格の面で特におすすめです。
1.DMM英会話
DMM英会話は、その豊富な教材で知られています。このスクールでは、基礎からアドバンスレベルまで、様々な教材を提供しており、利用者のニーズに合わせて学習できます。料金は、毎日マンツーマンレッスンが受けられるプランで月額7,000円台となっており、コストパフォーマンスも魅力の一つです。
2.Bizmates
Bizmatesは、ビジネス英会話に特化したスクールです。2020年オリコン顧客満足度調査講師部門で第1位を獲得し、その質の高さが評価されています。ビジネス経験を持つ講師からレッスンを受けることができ、料金は月額13,200円です。大企業にも採用されているなど、その実践的な教育内容は多くのビジネスパーソンに支持されています。
アプリを使った学習
移動中やちょっとした空き時間を活用して学習できるのが、アプリを使った英語学習の魅力です。特に「スタディサプリ English」はビジネス英語学習にお勧めのアプリです。毎日たった5分の学習でも、単語力の向上や新しいフレーズの習得に役立ちます。
書籍による学習
市販されている書籍の中には、エンジニア向けに特化したものも存在します。特に英語中級者の方は、ソフトウェア、電気、機械など、ご自身の専門分野に関連する書籍を選ぶのが良いでしょう。英語初心者向けの学習法を紹介する本としては、次の書籍がお勧めです。
まとめ:実践とオンライン英会話を活用する
最終的に、効果的な学びは実践とオンライン英会話の中にあります。この記事では、英語での打ち合わせに初挑戦するエンジニア向けに、よく使われる英単語と英語フレーズを各12個ずつ紹介しました。これらを覚えることは、会話の理解度や参加度を高める第一歩です。
実際のビジネスシーンでの実践はもちろん、オンライン英会話を利用することも非常に有効です。オンライン英会話を通じて、実際の会話の流れを体感し、発話の機会を増やすことで、学んだ表現を実際に使ってみることができます。
また、英語での打ち合わせでは、英語が堪能な同僚や上司がリードすることも多いでしょう。彼らが使用するフレーズや理解できなかった単語をメモし、打ち合わせ後に質問することも大切です。実際の現場で使用される英語フレーズを学ぶことは、非常に効率的な学習方法です。
積極的に質問し、オンライン英会話で学んだことを実践に活かすことで、上司もあなたの成長を認め、モチベーションの向上につながります。一石二鳥ですね。
この記事を読んでくださった皆さんの英語学習へのモチベーションが高いことは明らかです。今回紹介したコツを活用し、今後も英語学習を続けていただければ幸いです。